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平方録

炬燵のシミ日記 !?

ボクは冬になるとコタツのシミになることがままある。
というか、好んでシミになりたがる。
コタツの上にテレビのリモコンと飲み物を置き、読みたい本や雑誌・新聞を用意すれば「シミ態勢」の準備完了だ。
掘りごたつだから足は楽だし、リクライニングする座椅子もある。
そうそう、コタツにミカンは必需品だが、愛媛に引っ越した姫のところから暮れにドッサリ届いたのは既に食べちゃったけれど、スーパーで買ってきてしわくちゃになったものが残っていた。

念のために書き添えておくが「シミ」になるのだから、身軽にこたつから出たり入ったりを繰り返してはいけない。
コタツに1度もぐりこんだらそれっきり、じっとしたままでいるのが正しいシミの在り方で、落ち着きなく動き回ることは絶対のタブーなのだ。掟といってもよい。
そういう意味では、中途半端な考えでこれに臨もうとするのは大きな間違いで、覚悟を持った人のみに許される行為だということの認識が重要である…なんちゃって。

昨日は朝から冷たい雨が降りしきり、まったく不景気な空模様となった。
コタツのシミになるにはうってつけの条件と言ってよく、今年初の「シミ初め」ということに相成った次第。

ボクの場合のシミの世界は、前述した如くの条件に加えてもう一つ、手を伸ばせば届くところにステレオのアンプやカセットデッキ、レコードプレーヤーなどが置いてあるという特典が付いているところに特徴がある。
活字を追う間、なにがしかの音楽を流すのだが、大抵クラシックかジャズで、その割合は9:1でクラシックが圧倒的である。
本来ならレコードで聞きたいのだが、何せコタツのシミの掟を思い返せば、こたつから出たり入ったりは否自由なのだから、取り扱いの簡便なCDで我慢することになる。

そのCDの入れ替えも面倒ということになるとFM放送で我慢することになり、わけても地元のミニFM局を聞くと、どこそこの猫が子猫を100匹も生んだんだけど、あと1匹生まれていたら「101匹ネコちゃん大行進」というダズニ―映画が出来たのに残念なことをしたとか、どこぞの寺ではネズミが猫を駆逐してしまって本堂で大運動会を開いて盛り上がったのだが、それもつかの間、今は目標を失った人間のようにボォ―ッと呆けてしまったように元気がない…などと、ためになる !? ローカルな話題が楽しい。  
おまけにもう第一線を退いて隠居したようなご老体が、入れ歯の隙間から空気を漏らすような発声でディスクジョッキーなどを務め、それでも今の若者には到底及びもつかないようなうんちくを傾けているのを耳にすると、まっ、これもアリなんだろうなぁと、しみじみするのである。

言葉を変えれば非日常に身を置くと、それまでとはまったく違った世界が展開されるわけで、それはそれで退屈しのぎにはなるという和気清麻呂でございました。
そんな昨日のボクと彼のオハラショウスケさんとでは、どちらが〝いい気なもん〟なんでしょうねぇ…
そういやぁ、コタツに入ってヌクヌクしながらお酒を飲んじゃうと寝ちゃうからそっちの方は飲りませんでした、ハイ。…余計なことか。

それにしても今月いっぱいは梅雨時のような天気が続くってさ。尋常じゃないやね。
平方録やめて「炬燵のシミ日記」ってタイトルに代えようかな。




こんな青空と海が恋しい
(見出し写真を含めて片瀬東浜から/1月22日)
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