「少年式」
耳慣れない言葉、儀式があったものだ。初めて聞いた。
14歳になって大人への階段を上がり始めた中学2年生を対象に、愛媛県では立春の日を「少年の日」と定め、学校単位で記念の式典を開いてお祝いするとともに、激励するのだとか。
それが「少年の日」の「少年式」だという。
わが孫娘の姫がまさに愛媛県の中学2年生なのである。
その母親から写真とともにラインが届き、そこには次のようにつづられていた。
「今日、〇〇は少年式でした。少年式とは、愛媛県にだけある行事らしく、大人への第一歩を記し始めた14歳の子(中学2年)を立春の日にお祝いする行事です」
「一人づつ、大人への決意表明をし、その後、講演会を聞き、リーガロイヤルホテルでフレンチのフルコースを食べながらマナー講座を受け、最後に新居浜の海にアコウと言う魚の稚魚を放流しました」
そういう記念すべき1日だったようである。
立春を待たずに1日前の節分に行ったのは、立春が土曜日で学校が休みだからだろう。
送られてきた写真には「咲」という漢字一文字を書いた色紙を手に、マイクの前に立つ姫の姿が写っていて、「咲」をテーマに決意表明したんだなと言うことが伝わってくる。
いいぞいいぞ、「咲」を選んだのはとてもいい。
坂村真民の詩に『七字のうた』がある。
よわねをはくな くよくよするな なきごというな うしろをむくな
ひとつをねがい ひとつをしとげ はなをさかせよ よいみをむすべ
すずめはすずめ やなぎはやなぎ まつにまつかぜ ばらにばらのか
決意表明がどういう中身だったか知らないが、姫もこれからたくさんの花を咲かせ、良い実を結んで行ってもらいたい。
坂村真民は熊本の生まれだが、長く暮らし、生涯を閉じたのは愛媛県だ。
坂村真民を知っていて、この詩も知っているならなおさら嬉しい。
今、姫はテニス部に所属して部活に打ち込み、生徒会役員を務め、夜は塾に通って勉強しているそうだ。
腕時計をプレゼントした中学入学時、届いた礼状に「文武両道で頑張ります」と決意を示してきたとおり、成績もトップクラスを維持しているという。
自慢の孫娘である♪
知らなかったらのなら、少年式のお祝いにこの詩を贈ろう。
わが家のスイセン