平方録

結局は給料の差だってさ

畢竟、給料の差が出たということなんだろうか。

あと2人打ち取れば3連敗の後の3連勝が成るところで、今度は逆王手をかけられる寸前まで行ったのだが、その勝利がスルリと逃げて行ったのは12球団で最も平均年俸の高い球団と一番給料の安いビリ球団との差なのだろうと思うのだ。
別の見方をすれば、貧乏人の集まりが金持ちに一泡食わせ、あわやと言うところまで追い詰めたのだから、それはそれでよしとしてもいいんである。

とにかく食ってるものも住んでいるところも着ているものもみんな違っているんだろうから、金持ちの金ピカ球団はそれなりのぶっちぎりの力を出さなければならないのだ。
それにしては追い詰められてオタオタしていた様は何とも無様だったぜ。
貧乏人集団の諸君! 〝五分の魂〟は見せつけてやれたではないか。上出来だったぜ。

ボクは普段はプロ野球は全く見ない。
それがちょっとではあっても見る気になったのは、地元球団の横浜ベイスターズが19年ぶりに日本シリーズに進出したので、あの頃を思い出したと言うこともあるのだ。

19年前の1998年はボクにとって散々な年だったのだ。
父親の火の不始末で家が焼け、直後にはまさかの大左遷を食らって失意のどん底に落ち、そして仕事中に倒れて救急車のお世話になるというさんざんな目に遭った年なのである。

こういうことってあるんだなぁ…、まさかそれが自分自身の身にも降りかかるんだなぁ…と呆然としたものである。
でも、生来物事を深刻に考えない性格なのか、状況を正しく認識する能力に欠けているのか、その辺りは定かではないが、前を見るしかないねぇと妻と2人でノロノロとはしたかもしれないが落ち込むことなどなかったのである。

周囲はずいぶんと心配してくれていたらしいが、その辺は今でも不思議に思っているところなんである。
世の中の不幸というのはこんな程度で済むなんてことはなく、もっとケタ違いのはずだという思いもあったのだ。
もしあの時落ち込んでいたらどうなっていたんだろう、とはチラッと思うことがあるが、そこまでの話でそれ以上は非現実の世界なのだ。

あの時ベイスターズは佐々木大魔神の活躍で優勝しヨコハマの街が歓喜に包まれたのだった。
同じ年の夏、松坂大輔の横浜高校が甲子園でPL学園と信じられない延長延長また延長の大熱戦の末の逆転劇のもあってこれまた優勝しているのだ。

そうこうするうちボクの目の前に垂れこめていた霧も晴れてゆき10か月後には新たなステージに立つことになるのだが、あの時の救急搬送がきっかけとなって2000年6月に8時間超の頭の大手術を受けて一命をとりとめることになるのだから、人間何が幸いするか全くわからないと言うことの一つの証明であるが、そういうこともまた自分の身に起きたんである。
まさに「人間万事塞翁が馬」を地で行く思いであったのだ。

セリーグ3位から勝ち上がったベイスターズが日本一になってしまったら、日本一決定シリーズの在り方の見直し論にも発展しただろう。
金持ち球団が結局は勝利してしまったことと併せて、結論としてはあまり面白いものではなくなってしまったが、それが世の中というものでもあるのだろう。
納得なんてしていないけれど…



近所の寺でアザミが西に傾きかけた秋の日差しを浴び


境内の崖の上では白と黄色のノギク系統の花が秋の深まりを告げている


寺の裏山を利用した庭園の最上部の落葉樹が茶色く色づいて見えるのは黄葉しているのではなく、台風22号がもたらした塩害のせい


近くのため池のほとりで毎年きれいに色づくイチョウも中途半端に散りかけている




神社の土手には薄紫色と黄色の花がひっそりと最後のひと花を咲かせている




大人気の鎌倉野菜の産地では秋冬野菜が元気に育ち


取り残されたナスが乾燥野菜になって秋は更けていく
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