距離にすればまったく大したことはなくて往復9キロだったが、そんなことは問題ではなく、漕ぎだせば身体に受ける風が暖かかったことと、漕ぎたくても漕げなかったのが漕げるようになったという状況の好転という2つの点において大いにうれしい日となった。
実はドクターストップを受けていて、それがようやく医者の許可が出て解禁の運びとなったのだ。
1月末にそのご託宣は得ていたのだが、何も寒風吹きすさぶど真ん中に漕ぎだす物好きもいないだろうし、ボク自身そんなバカげたことはまっぴらで、家の中で赤い鼻緒のじょじょを履いて外に出たがっているみいちゃんのように春の到来を待っているのだ。
だから乗り初めは3月に入ってからだろうなぁと考えていて、その前に自転車整備を念入りにやらねば、と思っていたのだ。
そうしたら昨日は朝からぐんぐん気温が上がっていって、陽だまりで自転車を磨くにはうってつけの光が降り注ぎ始めたというわけである。
まずは整備である。メンテナンスをスルナンデスなんですな。
大事に乗ってきた自転車だからいつも玄関の中に入れて保管し、けっして雨風にさらすようなことはしなかったお陰でパッと見には変速機の前後のギアとチェーンの油が乾き気味だったことと車輪リムやスポークに若干のほこりが付いていたくらいである。
ギアとチェーンがスムーズに動くようにさび落としを兼ねた油を差してクランクをぐるぐる回し、前3つ後ろ9つのギアが滑らかに動くかどうか一つ一つ動かして見て確かめ、車軸にも滑らかに回ってくれるように油を差す。
そして車輪のリムと前後28本ずつあるスポークを1本1本丁寧に磨いて汚れを落としていく。
ブレーキパッドの減り具合はどうか、肝心の効き具合はどうか。
そしていったん前後の車輪の空気を抜いて再び空気を入れ直す。
こういう作業の一つ一つが何より楽しくて、しかもうれしい。降り注ぐ陽はとても暖かくて柔らかい。
まずは試運転である。
近所の少し起伏のある道を選んで10分ほど走ってみる。
ギアの動きに問題はない。ブレーキの効き具合も異常ナシ。
かくして自転車の状態は以前と変わるところが無いようである。ヨシ!
さて問題はボク自身の筋肉がどうかという点である。
これは正直って現物の太ももとふくらはぎを触り、外側から見れば一目瞭然なのだが、両方の筋肉は両足ともに1年半放置してきたわけだから、それなりのものになってしまっているのだ。
鍛えてきたはずの心肺機能だって、急坂や急階段を上れば息も絶え絶えになってしまうようになってしまっているから、それなりのつけを払わされているのだ。
こちらを取り戻すのは喫緊の課題であって、そうはいっても一朝一夕という訳にもいかず、一つ一つ積み重ねて行って取り戻すしかない。
もう一つ気がかりがあって、山中伸弥教授とタモリが登場するNHKの番組で若さを保つのに「骨」がそのカギを握る指令物質を出しているという新しい知見を紹介していて、若さを保つには特に大腿骨など足の骨に衝撃を与えることでその機能が維持できるのだと言っていたのだ。
そのために最適なのがジョギングやジャンプで、歩くこともまぁ、いいらしい。しかし、自転車は漕ぐだけで足の骨に衝撃は伝わらないからその恩恵にはよくさないんだそうな。
どれだけ自転車を漕いで遠くへ行ったって、どんな急坂を上り切ったって、それは筋肉増強と心肺機能の強化には役立っても身体の若さを保つためには何ら効果はないというのだ。
昨日は本格的な解禁を前にしたプレ解禁の位置づけで、これからもっと暖かくなったら正式な復活の祝典ライドをやろうと思っているのだ。
しかし、自転車の頻度は少し落としてジョギングなんてものも考えて見る必要がありそうで、複雑な気持ちである。
ボクの辞書からは「万万歳」という言葉が消えつつあるのかしらん。
ギアやらチェーンの具合を点検する
フェニックス号と名前を付けようかな
最新の画像もっと見る
最近の「随筆」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事