10月7日に仕込んだキンモクセイ酒の味見をしてみた。
そもそもキンモクセイの花をお酒に仕立てようと思ったのは、去年、同じエリアにお暮らしの女性のブログで見たキンモクセイ酒とやらの魅力的な色と雰囲気にすっかり魅せられ、わが家のキンモクセイで是非やってみようと硬く心に誓ったことだった。
ところが、いつもの年より早い9月の半ばに花が咲いたかと思ったら、花をホワイトリカーに浸ける間もあらばこそ、あっという間に花が散るのではなく「消えて」しまい、キツネにつままれた気分でいたのだった。
花が終わりかけると根元に必ず花柄のじゅうたんが広がるのに、その時に限ってはじゅうたんどころか花びら一つ落ちていなかったのだから…
そしてさらに驚いたのが、ひと月も経たないうちに再び花が咲いたこと。
それも一度目よりもはるかに花数は多く、庭に出るとむせかえるような芳香を振りまいて、「さぁ、準備はいい? 」とボクを誘うのだった。
35度のホワイトリカーにキンモクセイの花を浮かべただけ、いや、たくさんの花の上にホワイトリカーをたっぷりと注いだだけ…どっちでも同じか…
何れにしたって、砂糖も入れていないから発酵などはもとより期待できない。
だから酒につきものの熟成という概念は当てはまらず、従って熟成を待つために「寝かせる」必要がないことも分かった。
しかも、手引きとして参考にしたネット情報では「1週間後には花を取り出す」とあったから、結局、金オレンジ色の花の色に染まった美しい佇まいと液体に乗り移った香りを楽しむものだろうと想像しつつ、この時を楽しみに待ったのだった。
そして16日目の昨日、ふたを開けてみた。
液体そのものは見出し写真でもわかるように、琥珀色と言うか、金色を含んだオレンジ色の花の色合いがよく溶けだしていて、想像していた通りのきれいな色合いに仕上がった。
そして、容器のふたを開けた時にふわぁ~っと立ち上ったキンモクセイの濃厚な香り…これも想像以上だった。
最初は生でグビリと飲ったのだが、如何せん35度は少しきつい。
それでグラスに氷を入れ、炭酸で割って飲みやすくして飲んだら、かすかな甘みを感じるほどで、全体的にはやや辛口のキリっとした見目麗しい飲み物に変身していた って寸法である。
それにつけても色と香りが花の盛りを彷彿させ、なるほどこれがキンモクセイ酒かと、まずはナットク。
目と鼻で楽しむお酒ってことのようだね ♪
(ちなみに見出し写真のグラスの中身は炭酸で割った状態。左奥の瓶の中の濃い液体が原酒)

