見出し画像

平方録

出ました ガース18番!

変だなぁ…と思ってたんだ。

全国各地で高齢者に対するコロナワクチンの接種が自治体単位で始まった。
その全国1490の自治体の86%もが「7月中に完了見込み」と答え、これにガースが「14%が完了できないとはショックだ」と記者に話したという新聞記事に違和感を感じたからだ。
ガースとは対照的に86%という数字を聞いて、まず思ったのが「ホントかよ?」だった。

注射と縁のない歯科医師をにわか仕立てで研修させて打ち手にしたり、資格を持っていても仕事についていない休眠看護師を探し出してきてこれまた研修したり…
とにかく、まず肝心の注射を打つ人、介添えする看護師の確保から始めるような自治体が少なくない中で、たった3か月足らずでどうやって高齢者全員にワクチン接種が可能になるのか、と疑問に感じるのは自然だろう。
まさか、ボクの想像力が貧困だから?
そんな馬鹿な。

からくりが明らかなになってきた。
当初、7月完了を可とする自治体数は厚労省の手元データによると約650だったそうな。これが4月下旬時点で約1000。
そしてガースが悔しがって見せた86%1490自治体になるまで膨らんだのにはやっぱり訳があったのだ。

「恫喝」…まさにガースの真骨頂! 18番!
総務相経験者らしく、自治体が一番言うことを聞く国の役所がソーム省であることを良く知っている。
地方交付税を配分する役割のソーム省に自治体は頭が上がらない。常に顔色をうかがう。
そんな優位な立場を背景に、感染症予防のワクチン接種とは直接関係のないソーム省が前に出たのは、がま口を脇に置きながらさりげなく注文を出せば、いかなる無理難題であろうと、言うことを聞かざるを得ないだろうという、ゲスで卑怯な考えに基づいている。

その結果が86%という信じられない数字になったのだ。
「8月以降にずれ込む」と答えた自治体が狙い撃ちに遭った。
ある県の幹部のところにはソーム省の局長から電話がかかってきて「ウチが動いている意味合いは分かりますよね」と言われたそうな。
まるでヤクザの脅しじゃないの。
地元選出の与党国会議員からも電話がかかってきて「首相は高齢者の接種が終わらないと選挙が打てないって言うんだよ」とまで言って再考を迫ったという。

自分達を有利にするだけのために、このワクチン接種を利用しようと思うから、こういうことになる。
国民の健康を真に考えるなら…なんて改まって書くこと自体が気恥ずかしいというか、何ていうか…ちょっとボクには出来かねる。
こんな調子で五輪まで強硬開催されたら、日本の社会は一体どうなっちまうんだ?

ちなみわが鎌倉では80歳以上の高齢者から始まったワクチン接種が、今日から65歳以上の高齢者が対象になる。
ボクも基礎疾患を抱える身だから一応打っておこうと思っているのでネットで申し込むつもりだが、鎌倉の総人口に対する高齢者の割合を示す高齢化率は全国平均の26・6%を4ポイントも上回る30.6%と高い。
人口は約17万3000人だから65歳以上の高齢者は5万1900人ということになるが、今回の接種は8000人分しかない。
次の第2回は6月17日でその時も8000人分が予定されているに過ぎない。
80歳以上が何人かは知らないが、仮に1万人だったとしても6月までで合わせて2万6000人しか接種が終わらない計算だ。
それでも接種希望者を60%と見込めば、残りは5000人余りだから何とか7月中の接種は可能かもしれない。

ただし、効果がより高いとされる2回目の接種まで完了するかと言うとそれはやはり無理というものだ。
まさか、ワクチン接種会場の脇で総選挙の街頭演説をやろうって魂胆じゃないだろうな。
「ともかくワクチン接種始まりました」って。
まっ、それならそれでもいいけど、与党が勝てるとは限らない。
ワクチン接種なんてのはスムーズにやって当たり前なんだから。
何でこんなに遅れたんだって思ってる国民は大勢いるからな。


(見出し写真はわが家のヤマボウシ)

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「随筆」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事