見出し画像

平方録

ひょっと…したりするものか

坐禅会が中断して以来縁遠くなってしまっている北鎌倉の円覚寺に寄ってみた。
来年の卓上カレンダーを手に入れるためと、もう紅葉は終わっているだろうけれど運が良ければ名残の紅葉を見ることができるかもしれないと考えた。
円覚寺のホームページに横田南嶺管長のブログのような「管長のページ」があり、そこで法話やら対談やら日々の思いが毎日、盛りだくさんで掲載されている。
真面目に読んで中身を蓄積して行けば、相当うんちく豊かで心の広い人間が出来上がるのではないかと思わせるに十分な内容なのだが、悲しいかなボクなんかは「ナントカに真珠」を地で行ってしまうヤレヤレ人間だから、何をかいわんやなのである。

数日前、その管長のページに「円覚寺の紅葉」という観光案内みたいなテーマが掲げられた。
?と思いつつページを開いてみると「今年も紅葉が散り始めました」という書き出しで「晩秋の日に照らされて散りゆく紅葉の風情は何とも言えないものであります。遠くにいらっしゃって、実際に円覚寺に来られないという方の為に、紅葉の動画を作成しました。ぜひともご覧ください」と綴られている。
そして「まだ今週末くらいまでは、紅葉も残っているかと思います。お近くの方は、混雑を避けてお参りいただければと思っています」と結ばれ、やっぱり観光案内である。

そして動画とやらを見てびっくりした。
ほとんどが空撮なのだ。多分ドローンを使ったのだろう。
境内の参道や池の周囲を埋め尽くす紅葉した木々を空中から俯瞰しているものだから、これまで見たことのない世界(鳥じゃないんだから当たり前だが…)が広がって、素晴らしくきれいで思わず「へぇ~」「ほぉ~」が喉の奥からほとばしり出る。
でも管長さん、これって禁じ手じゃないの? だってボクらが参拝に訪れたってこういう光景は見られないんだから…
人の目の高さで撮影してくれなきゃ。

そう思いつつふと頭の片隅に浮かんでくるモヤモヤしたものに気付く。
待てよ、禅を極めると行きつくという世界があり、そこにたどり着かなくては見られない景色というものがあるそうな。
ひょっとしたら…
まっ、そう考えるところが凡人の凡人たる所以で、ただただ楽して成果を得ようとする欲張りで怠惰な態度というほかない。
そんなうまい話がこの世の中にあるはずないじゃないか。

買ってきた卓上カレンダーはひと月ごとのカレンダーに横田南嶺管長の揮毫が添えられたもので、気に入って毎年パソコンの脇に置いている。
来年のそれは表紙に「安穩」と書かれていた。
まさにこの願いが通じますようにと祈る気分である。



総門をくぐてまっすぐ進めば見上げる高さのところに山門がそびえるが、左わきの階段を登るとこういう景色が現れる
紅葉の盛りには茅葺屋根のお堂の裏手のモミジが色づくのだが、既にあらかた散ってしまっていた

総門脇のモミジ

如意庵では竹藪の奥に終わりかけたモミジが

如意庵山門の脇

佛日庵

黄梅院のモミジも散ってしまったり、もう最終章

佛日庵では魯迅から贈られたハクモクレンがつぼみを膨らませている
(見出し写真は総門から踏切方向を見下ろしたところ)

追記 今朝は冷え込んだ。部屋の中も今冬1番冷えて11.7℃しかなく、外気温は午前4時過ぎで0.4℃!だった。
数年前の2月に-3℃というのを経験しているがそれ以来だと思う。
お陰で布団の中から抜け出すのに時間がかかった。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「随筆」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事