「高校でも文武両道で頑張りたい」
「テニス部の部活を続けるかは今考え中。弓道もいいかなって…」
どちらにしても中学時代に引き続き「文武両道」の看板は掲げ続ける決意のようで、わが孫娘ながらその意気やよし、アッパレ、頑張れ!とエールを送る。
姫が第一志望の県立高校に合格し、四国から久しぶりにわが家に遊びにやってきた。
今年の正月と去年の夏休みは受験勉強のためにどこにも出かけず、部活と塾通いで明け暮れたので、一昨年の正月以来の再会になった。
この間、意思の疎通と言えばたまのラインのやり取りだけだったので、意思の疎通というより単なる連絡みたいなものだったから、近況ぐらいしかわからず、まことに物足りないものだった。
意思の疎通と言うものはやはり互いの目と目を見ながらするもので、互いの息遣いを感じながらでないと、なかなか本当のところは伝わらない。
幼い頃は一目見るなり駆け寄ってきて、飛びついてきたものだが、高校生になる今はもちろんそういう無邪気な真似は出来ないが、一瞬で距離が縮まるものであることも改めて分かった。
最寄りのJRの駅まで出迎えた時、最初はちょっと照れ臭そうな、恥ずかしそうな色が瞳に宿ったように見えたが、「久しぶりだなぁ~」「よく来たよく来た」というありきたりの挨拶を交わしただけで、すぐにそれが消えていつもの人懐っこいまなざしに代わり、自ら進んでボクの隣の助手席に腰を下ろし、嬉しそうな表情に変わったのが印象的で、空白だった時間は一気に埋まってしまった。
話はいろいろしたが、もう大学進学とその先のことまで考えていて、驚くというか感心させられた。
ボクが高校に上がった時は、漠然と進路のことは頭にあったものの、それに向けての努力など何もしないでサッカーボールを蹴るだけに学校に通ったようなもので、大学受験にも失敗し、それでも高校時代に漠然と考えていた職業の一つに就くことができたのだが、それは大いなる幸運がもたらしてくれたもので、ひとつ間違っていたら…と思うと忸怩たるものがあり、結果オーライとしか言いようがないものだった。
姫曰く「異文化交流というか、異なる文化に対する理解というようなことに興味があるの」「だから、そういう勉強ができる大学に行きたい」「四国の人は関西の大学に行く人が多いけど、私はちょっと肌に合わない気がするし、東京というか関東がいい」と言う。
そして「じいじに近い所に居られるし」と付け加えられ、息が止まりそうになった。
そして大学についても、いくつか候補を上げて「とりあえずそこを目標に目指したい」とまで言う。
まぁ、将来展望については多分、他のものに興味が移らなければ、よほどのことがない限り、そうした方向を目指すことになるんだろうが、目標もなく、何となく勉強するより目的を持って勉強するほうがよっぽど張り合いがある。
そこまで考えていたか…と、姫を見直した再会となった。ボクの高校進学時とはえらい違いである。
このほか幾つも驚かされることがあったが、そのうちの一つが身体のこと。
部活で鍛え続けたせいだろう、階段を登ったり、歩く姿を後ろから見て驚いたのは華奢だった身体が随分としっかりしてきていて、特に体幹が強そうなことをうかがわせていたこと。
ちょっと見ない間に大きく成長していることを実感させられた。
おそらくそのデンで、ものの考え方や、心のありようなどもしっかりしてきていて、「えっ、いつの間にそんな力を身に付けたのか…」と思うような、「自分の考え」をしっかり持っていて、それを口に出して言えるまでに成長していることに大いに感心させられた。
この高校3年間でどこまで飛躍するのか。
孫娘に大甘なジジイではあるけれど、そういうものを差し引いてもおつりがくるほどに楽しみである♪
姫は昨日、羽田から帰って行った
今度会えるのは…