そう、消費税を１０％に値上げする公約を２度に渡って反故にしたのはつい最近である。
その理由が「新しい判断」というのだから、開いた口がふさがらないとはこのことで、そんな論法が成り立つんなら、どんなことだって約束を違えることなど朝メシ前になってしまう。
だってそうでしょ？ 「確かにお約束はしました。でも、今回はその時と別の判断をしたんです。新しい判断なんですよ。ん？ なんか文句ある？ 」って言ってんのと同じだから、約束はあって無いがごとし。
こんな身勝手な理屈がまかり通っちゃうのかね。
そもそも２年ちょい前の約束だぜ。そんな短い期間の予測も出来なかったんですか？ そんな短い先のことすら見通せないんですか？ アンタそれでも責任ある政治家なんですか？ 恥ずかしくないんですか？ と問いたいね。
国民の間には拍手喝采の向きも一部にはあるけれど、消費税アップの見送りの結果、待っているのは社会保障と福祉に振り向けるはずだった財源が消えてしまうわけで、そのぶんのしわ寄せを受けるのは年寄りや貧乏人なんである。
それで本当にいいのかい？ って賛成する人に聞きたいけれど、ほんとのところは分かっちゃいないんだよな。
その「分かっちゃいない」っていう国民の傾向、性癖をズバリと突いて、「どうです新しい判断なんですよ！ 」って言ってんのさ。
どうせ分かんねぇ～だろ、っていう国民をバカにした発想なんだよナ、アベなんちゃらの発想は！
で、「呪文」も「新しい判断」も、とどのつまりは３分の２を超える議席を有する衆議院に加え、昨日公示された参議院選挙でも３分の２の議席を確保したいためなんだよな。両院で３分の２の議席を確保したら、国民主権の平和主義を掲げる現在の憲法を破り捨てて、戦前の大日本帝国憲法のような、国民を縛り、為政者のための憲法に作り変えちゃおうという魂胆なんだよ。
そのための憲法改正の発議をしたくてしたくてウズウズしてるんだ。
そのために、国民受けのする話ばかりして、錯覚を振りまき、相手が論争を仕掛けてくれば短くてよく回らない舌でもって相手の話もろくに聞かず、イライラと持論だけを展開し、時には癇癪を起して声を荒げ、論争相手をあきれさせても得意然として、後は涼しい顔をしているわけさ。
知能指数のちょっと低い、それでいてズル賢いところだけは持っているガキたれと、なんら変わるところがないんである。
それにしても、権力の座にあっては、もう少し真摯に国民を思い、権力行使の怖さをわきまえた輩が政治のかじ取りをしているならいざ知らず、小粒でしかもペテン師のような連中が寄り集まった与党と、それを崩せないだらしない野党を目の当たりにして、今回の選挙から選挙権を得た若い人たちは戸惑うだろうな。同情したいくらいだ。
まさか選挙権を得て最初の投票がペテン師たちへの１票を投じることになるなんて、夢にも思っていないだろう。だとすれば、オイタワシイことである。
目覚めよ！ って檄を飛ばしたところで、ペテン師たちも首から「私はペテン師です」って名札を吊るしてるわけじゃなく、甘い言葉で近づいてくるから厄介である。
そこで、先輩から一つだけアドバイス。
あのね、積極的平和主義ってのには眉に唾しなさいよ。
この考え方は憲法９条を変えたい連中が好んで使う言葉だけれど、本当の意味するところは「積極的武力主義」または「積極的戦争主義」って言ってるのと同じことなんですよ。
物事の解決を武力でやろうっていう考え方なのさ。気に入らない奴がいて、なかなか言う事を聞かない場合、最後は武力で相手をねじ伏せようって考え方なのさ。
世界中で紛争を作り出してさ、挙句、戦争させて、場合によっては自分たちも参加して、その場合はアメリカ軍の手先となるわけだけど、武器弾薬をどんどん売りこんで、どんどん使って、それでもって稼ぐ「死の商人」にもなろうっていう魂胆なんだよナ。
しかし、現在の憲法の９条に「戦争は永久に放棄します」って書かれているんですよ。だから、どうしたって９条を変えたいんだよ。
その結果は若い君たちが鉄砲かついで戦場に送りこまれるってわけなんだぜ。ゲームじゃないんだから、一度玉に当たって死んじゃったら生き返らないんだぜ。
そのことだけは覚えておいた方がいいと思うよ。
改憲の発議をさせないためには、今回改選の１２１議席中、非改憲勢力の野党が５４議席を取れば合計８１議席となり、３分の１を超える。今回の参院選の注目はその１点に尽きる。
わが家の庭では今年も黄色の花が咲き始めた。晩秋近くまで良く咲いてくれるのだが、名前を忘れてしまった。右下には暑くなると瑠璃色に色づくルリタマアザミの蕾も膨らんできている。年年歳歳花相似…
