平方録

冬来たりなば

師走の12月と年明けの1月、わが手は「猫の手」になる。
年がら年中、猫ばかり描いて食っている友人がいるが、ボクの場合は手だけ貸すのである。

横浜イングリッシュガーデンの運営に少しばかり関係し、門前の小僧並みにバラの育て方や管理方法を耳にしているうちに、すっかり身についてしまったようで、忙しい時に見よう見まねで手伝っていたら、いつのまにか猫の手の1本に数えられるようになってしまったのだ。

今冬はこちらがリタイアしたのをよいことに、時間はたっぷりあると相手は踏んでいるようで、「12日から作業を始めますのでヨロシク」と何度も念を押されたのだ。
あいにく所要があってまだ手伝えていないが、明日の木曜日あたりには手をヒラヒラさせて来ようと思っている。

あそこの大アーチのバラは咲き出すと言葉を失うくらいに見事なトンネルを作り出すが、せん定作業は難儀である。高い脚立の上に乗って、不安定な体の状態で絡み合った枝をほどいていき、不要な枝を切り落としたりした後、再びアーチに紐で括り付けていくのである。
バラにはとげがあるから厚手の皮の手袋をはめて作業するのだが、紐を結ぶときは素手にならざるを得ない。すると、気を付けているつもりなのだが、指先といい手の甲といい、ひっかき傷だらけになってしまう。これがお風呂に入るときなどしみてしみて…
おまけに、寒い。4、5時間も寒風にさらされていると、うっかりすれば体の芯まで冷えてしまう。おそらく冷えた状態で立ち尽くしていたせいだろうと思うのだが、昨年末にぎっくり腰になってしまって往生した。あんな目に遭うのはコリゴリである。

遅ればせながら指摘してくれる人がいて、今年の作業からヘルメットをかぶり、アーチには命綱を張って、そこから延ばしたロープを腰に結んで、万が一脚立から落ちることがあっても大けがをしないで済むようにしたのである。
大げさなということなかれ。作業中のけが、労働災害を未然に防ぐ。これは大切なことなのだ。

ところで、わが家にもつるバラが7本、それ以外の木立性のものが庭と鉢にそれぞれ5本ずつあるから、合間を縫って、こちらのせん定も進める必要がある。
おまけに庭の片隅にある屋根のついた物置き場に、近くの山から採ってきて植えたアケビを絡ませておいたら、随分旺盛に茂ってしまい、こちらもせん定するように妻から注文がつけられているのだ。
アケビのせん定と言ったって単純にぶつぶつ切り詰めればいいんだろうけど、10年近くほったらかしていたものだから恐ろしく絡み合っていて、一筋縄でいくものかどうか、やってみなければわからない。
おまけに、隣のヤマボウシの木のてっぺん近くまでツルを伸ばしているので、これがきれいに取れるかどうか。
ま、トゲがないだけましである。

約140苗ほど育ったパンジーの苗は20苗ほどを残して、ほぼ植え終えた。
チューリップやアネモネの球根類も植えたし、なんとなく来春の準備は進んでいるのだ。
それにしても今年の冬の訪れは早い。ということは長い冬なのか。正直言ってうんざりするが、「冬来たりなば春遠からじ」である。
次に来るのは春と決まっているのだ。



何と今冬は11月24日に積雪があったのだ。🎵春ぁ~るよ来い 早ぁ~やく来い
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