このところ、朝起きてすぐに身支度を整えた後、机の前に座り、ノート型パソコンを開いてもすぐに書きたいテーマが浮かんでこないで四苦八苦することが増えた。
頭に何も浮かばないようなときは"気付け薬"と称する魔法の液体があって、これをなめると、染み渡った五臓六腑からたちどころに脳に対して指令が出て回転数が上がり、どうにかなるケースが多いのだが、近年は注意しないと回転数が上がる前に酔っぱらってしまい、逆に回転数が落ちてしまうなんてことも時々起こる。
ローカ現象のなせる業かと苦笑せざるを得ないが、邪魔立てするなという気分である。
そういう自家療法の不調に加え、今現在の身辺を子細に点検すると、最近パトロールに出かける機会が減り気味で、「へぇ~」にも「ほぉ~」にも出会いにくくなっているのも理由のひとつだろうと推測している。
天候が良くない…というのが第一の理由で、本来なら今頃の季節は自転車を漕ぐのにちょうどいい気温でパトロールの航続距離も伸びるはずなのだが、ぐつつき気味の日が少なからずあり、晴れても北風が強かったり、たまたまだが病院での転ばぬ先の杖として受けている定期的な検査が10月に重なったりで時間を取られたのも大きい。
…ということで、今朝もまた"気付け薬"に頼ったのだが、最近酒屋で見つけて買ってみた「デュワース フレンチスムース 8年」をなめてみる。
こいつはスコッチのモルトウイスキーとグレンウイスキーをブレンドした後、リンゴを原料とするガルバドスの熟成に使った樽で寝かせて仕上げているのというのがウリらしく、「滑らかな味わいに加え、アップルとシナモンのような甘い香りが特徴です」というセールストークにひかれ買ってみた。
一口なめてみると確かに滑らかで、シナモンはともかく、リンゴの味だと言われれば「なるほど、そうかも…」と感じられて、小さなショットグラスはすぐに空になってしまった。
飲みやすい酒は"気付け薬"には不向きである。目が覚め頭が回転する前に酔っぱらってしまいかねないから。
そういう点では何と言ってもスコットランドのアイラ島のラフロイグの右に出るものはないように思う。
ボクの独自基準では"気付け薬"はスモーキーでビター、磯の香りのするラフロイグしかないのだが、今手元の瓶は空っぽなのだ。
あっ……なんだか気持ちよくなってきてしまったぞ…酔いが回りかけてきたかも…
やっぱり甘い口先でささやいてくるものには気をつけろってことか。
ようやくまともに咲き出したわが家の「空蝉」