特急成田エクスプレスから姫の一家4人が降りてきたとき、土砂降りの雨になった。
16日午前10時45分頃のことである。
姫たちが乗った列車とそのあとの1本を最後に成田エクスプレスは運休が決まっていたから、まさに滑り込みセーフ。
家につけば、土砂降りの雨はぴたりと止み、まったく濡れることなく家に荷物を運び入れることができたのだから、幸運だった。
そして極めつけの幸運が、今夏の鎌倉行きをあきらめていた姫と妹君にとって、思いがけない形で鎌倉行きが現実になったことだった。
それは無論、迎え入れた老夫婦にも言えることだが、むしろジジイたちの方がその幸運には唖然とするばかりで「長生きしていてよかった」という、よく使われるセリフがこれほど身に染みたことはない。
姫はダイニングの大きなテーブルでボクの隣に座り、高校合格祝いにプレゼントした哲学書を読んでいただけだし、読みくたびれると「勉強する」といって部屋にこもって夕方、薄暗くなるまで部屋から出てこなかった。
だから小学生のころまでと違い、特段何かをして遊ぶとか、一緒になって何かをするとか、そういうことではないのだが、一緒の空気をすぐ近くで吸っているという、ただそれだけのことでも心が浮き立つ。
高校生になって1学期が終わった感想を聞くと「あっという間だった」「すごく短く感じた」「この分だと、じいじが言うようにアッという間に3年間が終わりそう」「勉強も大変」と話し、その口ぶりからは少なからぬ充実感がうかがえ、成長ぶりを垣間見せた。
旅行から戻れば連日テニスの部活があるそうで、補習授業も待っているし、まさに"青春真っただ中"へと戻っていく。
今日は昼前に羽田空港に向かうまで、同じ空気を吸う♪
モーレツな強さだから注意しなきゃダメだと、鳴り物入りで脅され続けた台風7号は「え…そうなの…」というくらい、大人しく通過していったようである。
激しい雨がたたきつけるでなし、強風で家が揺れるわけでもなし…
朝4時に起きてベランダを点検しても、ゴーヤのカーテンは何事も起きてはいないし、葉の一枚も吹き飛んでいない。
ネットに這わせているキューリのカーテンもしかり。
列島に大きな被害をもたらさず、房総半島の東の海上を静かに通り過ぎただけで、逆に姫を寄り道させてくれるというプレゼントを置いて行ってくれるとは…
サンタクロースみたいな台風でありました。
近所のヒマワリ
昨夜23:03の南の空には十三夜の月がこうこうと輝いておりました