海外旅行から日本に無事帰ってこられたのはいいとして、台風7号にその先のヒコーキの羽をもがれ、我が家に転がり込んで26時間余り…
台風が去って天候も回復し、姫たちは正午少し前に羽田に向けて出発していった。
思いがけない1日を過ごした後、朝から澄んだ空気の真っ青な青空が広がり、まさに台風一過の好天をもたらしていた。
姫に「海岸に富士山を見に行こうか」と誘うと「行く、行く」と二つ返事で、妹も誘って車で海辺に出た。
ところが、姫は支度に時間がかかる。
化粧…というか肌の手入れの入念ぶりと言い、とにかく、家まで帰りつくためのもうひと旅が控えているため"よそ行き"に仕上げなくてはならないらしく時間がかかる。
服装も同様で、普段着から"よそ行き"に着替えるのにまた時間をかけ、戻ったらすぐ出発できるように自分の荷物を荷造りしてから出かけたので、とにかく時間がかかった。
だからということでもないだろうが、海辺に出てみると、富士山は雲に隠れてしまい、頭の一部がかすかにのぞく程度。
それも左右に控える箱根連山や丹沢山塊はくっきり見えているのに隠れているのは富士山だけ。
四国では富士山が見られないから、台風一過の晴天に浮かぶ富士のお山を見せてあげたいと思ったのだが、もう1時間、いや30分早く家を出ていたら、もう少し見えたのにと思ったが、こればかりはどうしようもない。
現在放送中のテレビドラマに江ノ島や片瀬西浜・東浜が舞台のものがあるそうな。
「見たぁ~い」といったが、浜辺に降りるほどの時間的余裕もないので、江ノ島大橋を渡って島内でUターンしてきただけだが、車の中から見える海水浴場の人の多さに驚きつつ、スマホで動画に収めていた。
正月は毎年、我が家で過ごして新年を迎えており、今度の正月も来るようである。
「その時に江ノ島のイルミネーションが見たい」とリクエストされたので、連れていく約束をした。
富士山と違ってイルミは日が暮れていさえすればいつでもきれいに見える。
コロナ前の大みそかの夕方、姫と2人で片瀬西浜に行き、砂浜で沈みゆく夕日を眺め、「今年最後の太陽を見送ったから、次に見る太陽は新しい年のお日様だね」と感激していたのを思い出した。
胸の奥に大切にしまっている貴重な思い出である。
それにしても台風一過の空に「にょっぽりと秋の空なる富士の山」(上島鬼貫)の句のような富士山を見せてあげたかった。
11:03 浜辺に出た帰り道、近所の高台に寄ってみたが…
富士山は胸のあたりから頭頂部にかけて雲が絡みついている…(五合目あたりから下は見えているのに)
箱根連山はくっきり
丹沢山塊の上にも雲はあるが…
海上にはひとひらの雲も浮かんでいない