ボクは暑さには比較的強い方である。しかし、昨日の暑さはこれまで経験したことのないものだった。
何しろ、午前8時過ぎには開け放してあった窓から「高温」の空気が家の中に流れ込んでくるのが分かるのである。
その空気が見る見るうちに家中に充満してしまい、風はそよとも吹かないものだからそのまま淀んでしまった。
あれが気温上昇のターニングポイントだったのだ。
わが家の1階リビングの前面には3本の大きな落葉樹と、隣家際にそれよりやや低い常緑の花木が4、5本茂っているので直射日光を遮り、カンカン照りの日でも木陰の涼しさを感じられるようになっている。
加えて微風でも風さえあれば、その涼しさはさらに効果を増すからわが家の中では避暑地並みの涼しさなのである。
そんなわけだから悪天候でもない限りエアコンは使ったことがない。扇風機をまわしておけばそれで十分なのだ。
しかしそうした舞台装置をもってしても何の役にも立たなかったのが昨日の天候だった。
夏が暑いのは当然だから大概の暑さには耐えられるし、暑さはむしろ好きな部類である。寒さよりもずっと好ましい。
だから温度を気にすることもないし、午後はうっそうとしてしまった庭の一部をせめて人が歩けるようにしようと思い立って久しぶりに庭に出た。
普通の、というか大概の人はせめて涼しくなってからやろうと考えるだろうが、何せ夏は暑いものだと思っているのだから暑さは関係ないのだ。
作業着に着替えるために2階に上がり、何気なくパソコンを置いてある机の上の温度計を見たら「34.2」という数字がデジタル表示されているのが目に飛び込んできた。
まさか、という思いで隣の部屋の温度計を見たら、こちらはアナログの文字盤表示なので細かな数字は不明だが、針は33度を示す印を指している。
器具の誤差なのだが33度と34度とでは感じ方が明らかに違う。そこは気分の問題で、高い数値の方がよほど暑苦しさを感じるものなのだ。ヒトは暗示にとても弱い動物なのだ。
もともとわが家の2階はベランダの照り返しが直接影響するし、階下のように木陰の恩恵など全くないものだから普段も1、2度は温度が高い。
それにしたって34度とは絶句である。
今夏はもちろんのこと、これまでだって見たこともない初めて見る数値なのだが、それ以上に体にまとわりついてくるような往生際のとても悪い暑さである。
体感的にもこれまで経験したことのない暑さと言ってよい。
夜、勝手口から外置きの容器に生ごみを出した妻が戻ってきて同じ感想を漏らしていたから、その辺りは間違いないように思われる。
ちなみに今朝ネットで鎌倉の気温を調べようと気象庁のホームページを覗いたら掲載がなく、隣の藤沢市辻堂の気温が33.6と記されていた。
ボクの家では30度にはなっても、それ以上になることは稀なのだが、その稀な日のうちの稀な日が2017年8月25日という日だったということである。
長袖シャツとGパンに着替えて庭に出ると、この暑さで蚊もぐったりしちまったんだろうか、いつもならうるさいくらいに顔の周りで不愉快極まりない羽音をさせているのだが、拍子抜けするくらい静かだった。
涼しい環境にばかりいるものだからヤワになってしまったか。情けない奴らだ。軟弱者め。
先日の長寿台風5号の影響でナンキンハゼの切り株から再び芽を出して伸びてきている「ひこばえ」の何本かが倒れかけ、通路をふさいでしまっていたのでその整理をしたのである。
おまけに露出している根っ子のあちこちからもひこばえが伸びていて、辺り一帯はジャングル状態だったのだ。
お陰で空蝉のデパートというか展示場のありさまで、一体何匹のセミが羽化したことだろう。
シャツにもG パンにも汗をたっぷり含ませ、熱中症の人体実験はたっぷり1時間半に及んだ。
庭には通路が復活したし、シャワーの後、大きめのグラスに氷をいっぱいいれた上から注いで飲んだビールは味が分からなくなるくらいに冷たくてのどに染みた。いいね! キンキンビール!
たかがそんな程度で? と笑われるかもしれないが、これがボクの「摂氏34度記念日」という訳である。
夏富士は姿を見せはしたがスカッとしない。江の島・弁天橋から10:22写す
半分の開墾が終わってようやく写真が撮れるようになった
かくしてジャングルは切り開かれ、右側の階段と通路が復活した
おまけ。今朝04:37の空。雨の予報が出ているが…
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