平方録

ふやけた脳ミソが暴走する

これから書くことはまったくの妄想です。

かつて1980年代後半に伊藤栄樹という検事総長がいた。
「ミスター検察」と呼ばれた人で、確か法務省の刑事局長の時に国会答弁で「巨悪は眠らせない」と答えて、その言葉が当時流行語のようになったのをおぼろげながら覚えている。
低い声でうつむき気味にぼそぼそっとしゃべったので、一層迫力に満ちたものになった。
テレビニュースでもその場面が流されたので記憶しているのだ。

その後、しばらくたって検事総長に就任した際には検事たちを前に「巨悪を眠らせるな、被害者と共に泣け、国民に嘘をつくな」と訓示している。
立場こそ違え、ボク自身も就いていた仕事で「社会正義の実現を図るのだ」と気負っていたころだったので、この言葉には大いに勇気づけられ、期待もしたのだった。

それがある日突然、就任後それほどの日にちが経っていないような気もしているのだが、がんに侵されていることが分かり、それから幾日も立たないうちに亡くなってしまったのだ。
その急逝に、大袈裟だけど、当時のボクは呆然とした覚えがある。
まだ巨悪は1人も追い詰めていないじゃないか。それが志半ばで病に倒れるのか……と。
確か進行性の胃がんだったように思う。

死後、病床で書き残した「秋霜烈日――検事総長の回想」が出版され、確かその中で読んだんだと思うが、「直前に人間ドックで身体の隅々まで調べたのだが、その時は何の異常も見つからなかった。それが……」と納得できかねるような表現があって「…ん? 」と思ったのだ。
ミスター検察が倒れたことで〝巨悪たち〟はヤレヤレとホッとし、その後は枕を高くして眠れる日々を送ったことだろう。
それがいまだに尾を引いていて〝巨悪たち〟は相変わらずぬくぬくと生き延びているというわけである。

あの時の「…ん? 」の正体は「ミスター検察に一生懸命に仕事をされては困る人々がいて、それらの人々、あるいは勢力から一服盛られたに違いない」というものだった。
あの頃起こった事件を思い返し、それに関する検事総長の発言などと重ね合わせると「まずいな」と感じたであろう黒い塊が浮かんで来る。

昨夜、沖縄県の翁長雄志知事が膵がんで亡くなった。
辺野古の米軍基地移設を巡る一連の問題ではキリキリ舞いさせられてきた知事の死に、ホッと胸をなでおろし、やれやれと思っているのがどこのだれか、それを想像するのは難しいことではない。
わけても…
翁長知事の志半ばでの急逝を伝えるニュース速報を見て、ピンと感じたのは検事総長の死だった。

ああ、やっぱり猛暑続きでボクの脳ミソはふやけてしまったようだ……

沖縄の人々がこんなことでくじけるとは思わない。
さらに前よりも強く団結して、この理不尽な戦いに挑み、跳ね返してもらいたいと思う。





台風の影響がどんなものか、国道134号を稲村ケ崎から江の島方面に走ってみたが午前11時近く(昨日)の海は普段と変わらず静かなもの


七里ヶ浜にはサーファーの姿が


いつも不思議に思うのだが、波のない時に限ってサーファーの数が増えるのはどういう訳だろう


江ノ島の西側は海面がざわついている感じ


このさざ波立ちが、やがてさらに高くてまとまった波に育っていく

コメント一覧

heihoroku
Re:同じ妄想。。
庭先の四季さんも同じ妄想が浮かびましたか。やっぱりね。
「もう基地はいらない」という沖縄の人々の叫びをどうして真剣に聴けないのか。歴代政権はもちろんですが、全く聞き耳を持たない現政権の態度は酷すぎます。
菅官房長官と会談した後、知事に就任したばかりの翁長さんが発した「長官は上から目線だ」という言葉が忘れられません。
heihoroku
Re:ホラーか?ミステリーか?
MOMOさんの言う通り、表に現れずわれわれ国民の目が届かないとこで何が起きているか、知れたものではありません。
オソロシイことです。

でも、ここで書いたことは妄想です。妄想!
庭先の四季
同じ妄想。。
こんにちは。
翁長知事の突然の訃報を知り、私も同じ妄想をしてしまいました。。
別に暑さで脳ミソがふやけてなくても、同じような妄想した人は少なくないのでは・・
小悪ばかりを叩き起こして、巨悪は眠らせたままの今の世の中には、
全く腹が立ちますね!
MOMO
ホラーか?ミステリーか?
少し前の"北"のやり口に驚愕しましたが、ゾッとする出来事は意外に現実にも多い気がします。
表に出ないから知らないだけで。
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