その記事は朝刊の片隅に小さく載っていた。
「芋焼酎の黒霧・白霧、一部販売休止へ」
黒霧・白霧とは宮崎県都城市にある霧島酒造が作っている「黒霧島」「白霧島」という焼酎の商品名である。
愛飲家が多く、人気のある焼酎だという印象がある。
それがこともあろうに正月を控えて「一部」であっても販売を休止するというのは由々しきことで、聞き捨てならない。
何より、ボクもこの蔵の「赤霧島」を愛飲している身である。
明日は我が身じゃあるまいな。
一体何が起きているのか…
記事によると「一部休止」の意味は「来年2月出荷分を最後に休止する」という意味で、再販売時期は未定だそうだ。
その理由は「原料のサツマイモに基腐病が出て収穫量が減り、計画した原料の確保が難しくなったため」だという。
モトグサレ病とはまた何とおぞましい名前であることよ。
この病気にかかるとツルが枯れ、芋が腐る伝染病で、2018年に国内で初めて確認されたが、感染力が強く、鹿児島県や宮崎県などで被害が続いているそうな。
しかも新しく発見された伝染病だけに、まだ有効な治療・予防法が見つかっていないらしいのも気になるところ。
「ふ~ん」と聞き流せる話ではない。
焼き芋が食べられなくなるやもしれず、気がかりなのはボクもこの蔵の「赤霧島」を愛飲していることだ。
休肝日無しに晩酌を欠かさない身としては食事に合わせて日本酒、赤ワイン、赤霧島のいずれかを選んでいる。
冬の今はお湯割りで、夏場はロックか炭酸で割って飲っている♪
そりゃぁ、ロックで飲るのが一番美味しいのだが、飲み過ぎてしまうのがちょっと…というわけである。
何れにしたって、濃くして飲みたいとき、あまり酔っぱらいたくないとき、と自由自在にアルコール濃度の調節ができるのも焼酎ならではである。
赤霧島を好む理由は原料の芋に「ムラサキマサリ」という紫芋を使っていること。
甘みがあり、抗酸化作用の強いポリフェノールをほかの芋よりたくさん含有していることなどが特徴で、飲みやすいし、身体に良さそうじゃん…と言う単純な理由である。
もっとも焼酎の場合、ワインなどと違ってポリフェノールは搾りかすの方に多く残るそうだから、効果は限定的かも知れないが、そこは気分の問題。
ということで、どうかムラサキマサリには伝染しませんように…と祈る気持ちで記事を読んだのでアリマシタ。
太平洋戦争下、日本人を飢えから救った食料と言えば、このサツマイモとカボチャを置いて他にはないと言っていいくらい…と聞いている。
そんな大事な恩人のピンチに国を挙げて予防法や治療法を見つけ出して恩返しをしなくては。
だよね!
ん? 酒飲みの繰り言だって…?
わが家のパンジー