今は椎間板ヘルニアを発症したばかりで、大人しく安静にしていなくてはならないが、5月の下旬にはそろそろイワガラミを見に東慶寺を覗いてこなくちゃなと、思いを巡らせていたものだ。
この時期は円覚寺、東慶寺、浄智寺でイワタバコが咲くし、ボクが好むこの3寺に加えて明月院では明月院ブルーのアジサイと本堂奥の庭園でハナショウブの群落が盛りを迎える。
梅雨時の北鎌倉4寺の花めぐりはいわば「鎌倉の花めぐり」と同義語で、見どころ満載でお腹がいっぱいになること請け合いなのだ。
こんな時に椎間板ヘルニアにかかっている場合じゃないのだが…
本堂裏手の岩の壁に張りついて咲くイワガラミは例年、寺側の特別な計らいで普段は立ち入れない本堂裏手に縁側を伝って鑑賞できるようにしてくれていた。
今年はいつから特別鑑賞が出来るのかと東慶寺のホームページを開いたら唖然とさせられてしまった。
「再三の呼びかけ、注意喚起にも関わらず、参拝者のマナーが向上されなかったため、2019年をもって、公開を終了させていただきました」
「19年をもって終了!」「もう公開しない!」という寺側の決断はよほど腹を据え兼ねてのことだろう。
一体どんなことが実際に起きたのか、よほどのことがなければこうした結論には至らないはず。
2019年はコロナ禍の前で、翌年から鎌倉の寺は感染予防のために閉門してしまったから、そんな心配は無用だったのかもしれないが、今年何の規制も無くなって公開の時期を控え、積年の懸念が蘇っての判断だろうと思う。
それがホームページのお知らせという訳である。
まったく寝耳に水で、悲しい知らせを突きつけられたものである。がっかりだ。
この寺はコロナ閉門を解いたころから拝観料の徴収を止めてしまい、門前の階段下に小さな看板を出して「拝観料は本堂のご本尊にお参りする際、寸志としてお納めください」という方法に改めてしまった。
あくまでも、お参りする人々の真摯な態度・姿勢に期待してのことだろうと、ボクも庭の花を見に訪れるたびに靴を脱いで本堂に上がり、ご本尊の前に正座して300円を賽銭箱に入れて静かに手を合わせる時間を持つようにしてきた。
他に参拝客がいない時はそのまま足が悲鳴を上げるまで、じっと坐り続けることもあり、立ったまま手を合わせるのと違って、こういう時間も案外いいものだなとも思っていた。
まさか、門扉まで締め切るようなことはないとは思うが、好きな寺だけに残念でならない。
久しぶりのチャンス到来だし、整形外科の帰りに足を引きずってでも寄って来たいなと思っていただけに、ガッカリである。
アーチの「伽羅奢」とクレマチスの「エミリア・プラター」(見出し写真も)