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平方録

「口福」な春

パトロールで通りかかった鎌倉・坂ノ下の浜でワカメが天日干しされ、風に揺れているのに気付いた。
既にわが食卓には何度かワカメが上がっていて、ボクの好きな茎の部分のコリコリした食感や、柔らかなひらひらした部分をたっぷり堪能済みだが、こうして改めて天日干しの光景が目に飛び込んでくると、つくづく春がやって来たんだなぁと思う。
既に口にしたワカメの産地は聞き洩らしたが、鎌倉の海では養殖物が終わると天然物のワカメが出回り、それが多分3月に入ってからではないかと思う。
天然物のワカメを肴に一杯やるってのもぜいたくな話で、今年もぜひ味わいたいものだと、だらしなくヨダレを垂らす。
 
一昨年はその養殖物を秋に種付け後、芽が出始めたころから魚に食われてしまって壊滅的な打撃を受けたそうな。
気を取り直して、再び種付けしたものの、それも食害に遭って散々だったらしい。
天然物はそれほどの被害は出なかったようだが、元々収穫量が極端に少ないので、なかなか手に入らず寂しい思いをしたものだった。
とんだトバッチリを受けたものだが、今年はそんなことありませんように。
 
天日干しの光景を見たのは一か所だけ。
それも、極めて細々としかやっていなかったから、たぶんこれからあちこちの浜で見られることだろう。
北風にさらすより南風にさらした方が春っぽいものな。
手に入れたワカメを家で湯がくと、一瞬でサッと鮮やかな緑色に変わるんだよな。
おぉおぉ…よだれが垂れる…♪
 
間もなくだが、東日本大震災の11日は相模湾ではシラス漁の解禁日でもある。
その日から直ぐにたくさん獲れて我々の口に届くかと言えばさに非ず。
大抵、不漁が続き、サクラの花が咲くころには…とかなんとか言ってるうちにホトトギスが鳴く頃になってしまったり…
なかなか思うようにはいかないが、春先の楽しみの一つであることは間違いない。
これも、ピッチピチな奴を酢醤油で味わいつつ、冷えた日本酒辺りで一杯やるのが海辺の町で暮らす呑兵衛のタシナミの一つと言って過言ではない♪
あぁ、何と春の「口福」な季節であることよ。
 
そうそう、20代後半から30代前半にかけての事だから、相当ロングロングアゴ―の話になってしまうが、春まだ浅きこの時期、例えば腰越漁港の岸壁からサビキをつけた釣り糸を垂らすと、ちょっとシャクればアユの稚魚が面白いように釣れたものだった。
体調5~6cmの小さな魚体が6~7匹も連なって上がって来ると、朝日に輝いて魚体がエメラルド色に輝くのだ。
緑に光る魚体こそアユ特有のもので、川を遡って岩に付着したコケを食べる以前からこの色に染まっている不思議…
まだ真っ白に冠雪したままの富士山を背景に緑色の魚体が跳ねるさまは、知る人ぞ知る早春の楽しみでもあった。
 
 
 

鎌倉・坂ノ下の浜で天日干しされるワカメ
 
こちらは去年3月4日に撮影した腰越・小動岬東側の浜辺での天日干しの光景
 
同上
 

コメント一覧

平方録
@suyoko1101 おはようございます。
ワカメの茎には粘り気がありますからね♪
ネバネバにしたものを温かいご飯の上に乗せて食べるのも好きです。
でも基本、飲兵衛なので…
地元で採れるものを旬に味わう…贅沢ですよね♪
suyoko1101
平方録さん

生ワカメの根っこをゆでた後 
包丁でたたき ねばねばになったら
酢醤油かけて食べるの大好きでした
もう何年も食べてないです
良いですね 羨ましい!!
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