予報どおり、久しぶりに青空が広がったので、これまた久しぶりに自転車を漕いできた。
どこを走ってこようか、ちょっと迷った挙句、北鎌倉の寺を幾つかめぐることにしたのはブログに添える花の写真を求めてのことである。
最近はわが家のバラを撮影すれば事足りていたのだが、嵐のようなひどいものも含めて、このところ強い風雨にさらされて相当痛んでしまった。
寺の花だって、同じ風雨にさらされたのだから、無傷ってことはないだろうが、バラのようなデリケートな花以外にもたくさんの花が咲いているはずなので、何か撮れるだろう。
うっそうと茂る木立の中の苔むした階段を上がり、本堂でご本尊に手を合わせ、本堂裏手の書院の庭に出ると…
そこにはピンク、黄色、ブルーの明るい花園が出現していて、その明るさとモダンで軽やかな雰囲気にちょっとびっくりさせられた。
へぇ~! 禅寺にはこういう庭もあるんだ…
ここは臨済宗大本山円覚寺の末寺で鎌倉五山の第4位の浄智寺。
厳しい修行で知られる臨済宗の禅寺で、現在の横田南嶺・円覚寺管長の2代前の管長である朝比奈宗源老師の寺である。
背景の茅葺屋根は書院で、ボクはここのひなびたようで居ながら凛とした佇まいと、季節季節の花が代わる代わる切れ目なく咲くこの庭が好きで、季節ごとに尋ねるのを楽しみにしている。
そんな雰囲気の中を明るく彩っているのはピンクはムシトリナデシコ、黄色はツキミソウ、ブルーはたぶんアヤメ。
本来のツキミソウは夕方から咲き出して朝しぼむはずだから昼間に咲く種類のツキミソウらしい。
アヤメかカキツバタかの区別はつかないが、水辺でないことから推しはかってアヤメと当たりを付けたので、いい加減である。
明るくてカラフルで、そしてリズムがあって、まさに浮き浮きしてくるような… さすがに禅は奥が深い ♪
書院と前庭 この佇まいが何とも言えずに好きである
尋ねたのは浄智寺のほか、円覚寺と東慶寺。これから数日、これらの寺々の花が登場します。
明月院ブルーで知られるアジサイの名所・明月院も目と鼻の先にあるが、さすがに日曜日ということもあってJR北鎌倉駅から明月院に向かう人波は切れ目がない。
なんでわざわざ「密」の真っただ中へという気持ちもあって、近づきもしなかった。
ちなみに、こんなきれいな庭を見られるのに浄智寺には観光客の姿がほとんどなかった。
お陰でじっくりと雰囲気に浸れたけどね。