酷い風雨にさらされたものだ。
具体的な数字はどんなものだったのか…、一番近い隣町のアメダスの記録を調べてみると、降り始めの9日午前2時から正午までの10時間に47.5㎜もの雨が降った。
気温は正午に18.7℃の日最高記録を出しているが、午前10時には15.9mもの強い南風を観測している。
正真正銘の「春の嵐」と言っていいだろう。
幸いどこにも出かける予定はなかったので、一日中家にいたが、出歩かなければいけない仕事や用事を抱えていたら、さぞかし難渋をしたことだろう。
新学期が始まったばかりの児童生徒や、入学式を終えたばかりのピッカピカの1年生たちは必死の思いというより、キャァキャァ騒ぎながら登下校したんだろうと思う。
人生には荒波や嵐がつきものなのだ…などと、ませたことを考えながら風に立ち向かった子がいたかどうか…
この嵐でやっと咲きそろい出したサクラは大方、ダメージを受けただろう。
今年は史上最も早く咲きそうだと言われ続けたものの、3月の天候不順がたたり、関東ではここ10年で最も遅い開花になってしまった。
そして、開花からここまで、青空が広がる日は極端に少なく、青い空に映えてこそのサクラの花は薄ぼんやりした不景気な空模様の中に沈んだままだった。
そして満開の花に襲い掛かる強い雨と風…
西行法師の歌を思い出す。
春風の花を散らすと見る夢は さめても胸のさわぐなりけり
「夢の中の落花」という題の下に詠まれた歌だが、昨日の嵐は正にうつつの出来事で、わが家の窓の外に見える山の中腹に咲いているヤマザクラが強風にあおられ、強雨に痛めつけられ続けるさまが、否が応でも目に入ってきた。
とはいうものの正視に耐えないとはこのことで、満開の枝が揺さぶられ、煽られるたびに目をつぶらないではいられない。
そして雨が昼過ぎに止んだ後、何本かのヤマザクラの花は半分以下に減ってしまっていて、濡れねずみになった落ち武者を見るようである。
かくして、散々翻弄され続けた今年のサクラは、ようやく迎えた盛りとともに散り急がされることとなった。
サクラは終わってしまった。
ただ、向こう一週間は日の光が降り注ぐ晴れの日が続きそうである。
4:59 わが家から見た東の空 久しぶりの快晴♪
どういう経緯でここに咲いているのか、玄関へのアプローチ脇でキランソウが咲いている
尾根道など歩くとよく目にする花だが…