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平方録

肩透かし

劣化してきたベランダの防水塗装を新しくする工事が始まった。

初日の昨日はベランダに置かれているエアコンの室外機や植木鉢など、すべてのものの撤去作業に作業員2人がやってきた。

事前に下見にきた担当者から「あの家は鉢やプランター類が所狭しと並んでいて、しかも床にはテラコッタの板や木製のタイル、小石などが敷き詰められているから大変だぞ」と言われてきたらしく、「天気も悪くなりそうなんで、とにかく今日中に片づけられるか分かりませんが、頑張ってみます」とまなじりを決して作業を始めた。

ところが、作業を始めて2時間ほどした午前11時すぎ、「意外に早く片付きました」と報告に来て、部屋の中に敷いたブルーシートの上に並んだ大量のバラやパンジーの鉢植えを指さして「それは下に運ばなくていいんですか」と物足りなさそうな表情である。

防水塗装の工事が終わった後、元に戻してくれるならお願いしてもいいけど…というと、「いやっ、我々の仕事は下ろすだけで、元に戻すことはしません。こちらに伺うのも今日限りなんです」という。

多分、下見の人間からバラやパンジーの話を聞いてきていたんだろうが、ボクが老骨に鞭打って、しかも腰への"天使の一撃"に細心の注意を払いつつ部屋の中に運び入れたのだ。

彼らは肩透かしを食らわされたのだった。

「作業が思いがけず早く済んで良かったじゃないの」と労をねぎらいつつ、室内に一週間だけ、思いがけず出現する花園もほのかな香りが楽しめたりして悪くはないぞ♪という気分なのである。

イレギュラーな非日常は我慢や不自由ばかり強いるわけでもなく、良い側面もあるものなのだ♪
 
 



代わり咲きのチューリップとネモフィラ


創造主の気まぐれなんだろうか…















 


 


ブルーのアネモネの球根を植えっぱなしにしておいたらブルーの色素が抜けてしまったらしい
 


 



青空が背景に広がると、わが家から見えるヤマザクラもさすがに引き立つ♪
 
 
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