去年の秋に初めて手に入れた球根が花を咲かせた。
名前をイキシア ヴィリディフローラという。初めてお目にかかる花だ。
サカタだったかタキイだったか忘れたが、いずれにしても分厚いカタログを眺めていて薄いエメラルドグリーンの花が行儀よく縦一列にすき間なく並んで咲いている姿を見て感じるものがあった。
この薄いエメラルドグリーンと言う色合いがそもそもエキゾチック。しかも、初めて目にする花色だったことも、購入の背中を押した理由である。
1袋にちいさな球根が5つ入っていて、植木鉢にリング状に並べて植えたところ、暮れに5球すべてが発芽して極細の葉を伸ばしたが、うち2本は寒さがこたえたのか消えてしまい、3本だけが残って成長を続けていた。
どういう具合に花が咲くのかと思って観察していると、ピンと伸びた茎を中心に四方八方に筒状のツボミが行儀よく並び始め、これが次第に太って行った。
そしてある朝、ほかの植物に水をやっている時、ふと視線が止まった先が、一斉に咲いてしまった姿だった。
例えば下から徐々に…とか、上から少しずつ順番に咲いていく…と言う咲き方を想像していたので、一斉開花した姿にはちょっとびっくりした。
運動部の部活か何かのようで号令一下、一糸乱れぬ動作をするとは…
それで、こいつは日が暮れかかったり、雨模様になると、それまで開いていた花をまるで傘を折りたたむかのように一斉にたたんですました顔をしている。
朝になると、今度は逆で一斉にパカンと開く。
その統制の取れたこと……あきれるばかりである。キミらそれでも植物か?!
呆れた証拠に、一連の閉じたり開いたりを眺めているボクの口もパカンと開いたままになることである。
イキシア ヴィリディフローラの原産地は南アフリカのケープタウン近くらしい。
アフリカ大陸南端の海を見下ろす丘の上にでも咲いていたんだろうか。だとすればエキゾチックに感じられた理由もうなずけると言うものだ。
一つの球根から1本だけ細くて強い茎が伸び、茎の周りに上から下までたくさんの花を咲かせる
山の神は「なんかキモイ」という 何で? どこが?
ある晴れた朝の6:39の撮影