結局、3連休は(といっても、毎日が日曜日なのだから無限連休中の身だが…)昨日の花曇りを除けば3日間ともよく晴れた。しかし、連日7~8mの強風が吹き続けたのには辟易した。
春風の花を散らすと見る夢は さめても胸のさわぐなりけり
強い風が吹く度に西行法師が「せっかくの花が散ってしまうじゃないか…」と心配したように、ボクの心も大いに騒いだのだ。
わが鎌倉の開花状況はと言えば、ソメイヨシノは咲き始めたばかりでまだぽつぽつ。
盛りなのは街の周囲を屏風のようにぐるっと取り囲む低い山並みと、そこから街中に伸びてきている幾筋かの尾根に自生しているヤマザクラのほう。
19日には広町緑地の「大桜」(こちら)を見てきたばかりだったが、わが家に近いもう一つの〝知られざる名所〟の峯山界隈のサクラも気になる。
海沿いの道を自転車で走ってきたいのだが、この風ではとてもムリ。
コース上だって海砂が積もってしまって走るに走れないだろう。
ならば、すっぱりあきらめて山に分け入るのがベター。
妻を誘って峯山を目指した ♪
(見出し写真は広町の大桜に匹敵する巨木で名前はついていないが、尾根筋の道のすぐ脇にそびえていて、天を覆わんばかりに広げたすべての枝先にびっしりと花を咲かせていた。
咲き具合は8分か満開に近い状態で、周囲に花びらが散っていなかったのはまだ咲き始めて間がないからだろう。
この巨木同様、峯山一帯の尾根道には落ちた花びらはほとんど見当たらないのも同じ理由だと思い、とりあえずホッとさせられた。)
海からの風が直接吹き付ける峯山山頂には平地で感じるよりも強い風がビュンビュンゴウゴウ、音を立てて吹いていて、散ってしまいやしないかとハラハラしたが、今のところドッコイしぶとく枝先にしがみついて耐えている
街中のサクラと違って幹や枝を天まで届けと精いっぱい伸ばしているところも魅力の一つ
この山頂を覆って人の侵入を妨げてきた笹薮が地元有志によって切り開かれたお陰で新たな〝名所〟が出現した
山頂の一角にはこのように折れ曲がったヤマザクラがあり、この木の人生ならぬ「木生」の「ここまで ! 」と驚嘆させられる風雪を物語って余りある
山頂から眺める相模湾 奥に見える山影は葉山の三ガ岡で、先端を向こう側に回りこんだ場所に葉山御用邸があり、上皇ご夫妻が滞在中
山頂を離れ、遠目に満開のサクラを楽しみながら別の場所を目指す
菜の花とヤマザクラがコラボする場所を抜ける
足元にも花園が広がる
峯山から尾根道を200mくらい進んだところにもヤマザクラが比較的密集する場所があり、下草が刈られ、丸太を置いただけのベンチまである
ヤマザクラと言うのは山中に分け入って下から部分的に覗き見るか、それとも遠く離れた場所から山に点在する花の塊を遠望するかしかないが、こうして間近で全体像を眺められる場所は案外貴重である
それにしても伸び伸びと梢を伸ばし、毛細血管のように細枝を広げている
昨秋の2つの台風で幹を傾がされた木がそれでもドッコイ元気に生きていてボクらの鼻先に満開の姿を見せてくれている ♪