アメリカのアウトドアスポーツ用品メーカーが製造販売に乗り出したビールの存在を知って、えっビールまで作っちゃってるの!? と軽く驚き、さっそく取り寄せて飲んでみた。
2016年から作り始めたそうだけど、だいぶたった最近、ボクのパソコンのネット広告にしばしば登場するようになって気がついた。
6月にこのメーカーの短パンを買ったことが、このメーカーの広告が頻繁に画面に現れるようになった理由の一つだと思う。
そもそも、このメーカーの日本支社の総本山が鎌倉のメーンストリートにあって、しかもブランド化した鎌倉野菜を生産農家が直売する通称「レンバイ」と呼ばれる市場の隣にあって、野菜を物色するのと同様、この店で着る物を探したものだった。
Tシャツを始め、若かりし頃シーカヤックを漕いで海で遊んでいた関係上、短パンはずいぶんたくさん持っている♪
わけてもお気に入りが、冬の防寒具で、ダウンジャケットの類なのだが、ずっと薄く、ロッククライミングなどの激しい動きに対応している…と言うのがコンセプトで、軽くて暖かく、しかも動きやすくて実に着心地が良く、「超」の付くお気に入りで、何年も大事に着ていた。
それが8年ほどたった冬、糸を使わずに接着剤でつなぎ合わせた縫製部分の一部がはがれてきてしまい、修理を頼んだところ「これは難しいかもしれません。長い間大切に着ていただいているのに誠に申し訳ありませんが、同額の商品と交換させていただけないか」と思いがけないことを言われ、修理が無理なら仕方ないと、同じ製品はもう扱っていなかったので、別のダウンジャケットと交換してもらい、思いがけずに新品を手に入れたのだった。
それまでも"地元のよしみ"もあって贔屓にしていたのだが、この対応に感心して益々ファンになった。
そこがビールの製造販売に乗り出したと言うのだから、贔屓筋としては黙っていられるわけがない。
うたい文句は「地球を修復するビール」。
「私たちのビールはオーガニックのホップと麦芽、そして表土を構築し、侵食するのを防ぎ、さらに水質を改善する長い根を持つ多年生穀物『カーンザ』を使用して作られています。地球に乾杯!」
つまり、地球を疲れさせず、むしろ地球をあるべき姿に保つ作用のある植物を選んで、それを原材料に使っているのです♪ と高らかに宣言している。
カーンザとは耳慣れない名前だが、小麦の代替作物として注目されている多年生植物で、小麦のように毎年刈り取ってしまうのではなく、収穫後もそのまま残り、次の年も実をつけるため、根が非常に地下深く伸びて土壌の改良にも役立ち、且つ、いちいち田畑を耕すなどの作業が不要になるため、様々な資源の節約にもつながる優れモノだという。
カーンザを使って生み出されたビールはおなじみラガー、更にペールエール、ウィット、IPAの4種類。
今回はラガーを除く3種6本セットを試して見た。
伝統的な(アメリカ)西海岸スタイルで醸造されました。スッキリしたドライな苦みとモルトのしっかりした風味、さわやかな柑橘系と松の香りが特徴です…のIPAはアルコール度数6.2%。
うたい文句通りの味と風味で、モルトが効いている感じでなかなか美味しい。
もう1種のペールエールはオーガニック二条大麦、オーガニック酵母、オーガニックチヌーク、モザイク、クリスタルホップ、カーンザを使用して醸造されたアメリカ北西部スタイルだそうで、さわやかなグレープフルーツの風味、バランスの良いモルト感、すっきりした後味が特徴ですとあり、アルコール度数は5.5%。
山の神は「ペールエールが美味しかった」と言っていたが、ボクも同感で、切れ味と後味が良く、すっきりした飲み口に好感が持てた♪
難点は大量生産品ではないので、価格が割高なこと。
でも、あらかじめわかっている来客がある時など、話のタネに取り寄せておくのもいいかなと思う。
ワインや日本酒まで作っているそうだから、おいおい試してみようと思う。
大量生産大量消費に背を向けるってわけじゃないけど、それに安住していい訳でもない。
たまにはこういうこだわりのある製品を試して、作っている人たちの気持ちを思い出すのも大事なことだと思う。
すっきりしたドライな苦みとモルトのしっかりした風味、さわやかな柑橘系と松の香りが特徴の「ロング・ルート・IPA」
爽やかなグレープフルーツの風味、バランスの良いモルト感、すっきりした後味の「ロング・ルート・ペールエール」
伝統的なベルギーの白ビールをアメリカ北西部スタイルにアレンジ。オーガニックコリアンダーとオレンジの皮を加えて醸造し、さわやかな柑橘系の風味を加えた「ロング・ルート・ウィット」(写真中央)は次のお楽しみ♪