それは何の予告も無しに、突如襲ってきた。
左の腰付近。
何か丈夫なものが引きちぎられる時に発する鈍い音だけれども、有無を言わさぬ容赦のない音に聞こえた。
と言っても実際にそういう音が聞こえるわけではない。
そう感じたのである。
音がないのだとすると衝撃波と言い換えてもよいかもしれない。
現に「ビシッ! 」っと来た時に、一瞬、強い電流が走ったような気がしたのだ。
その瞬間、ボクの頭は真っ白になり「あちゃぁ~、やっちまった! 」という取り返しのつかないことをしてしまった後悔の念のような思いを味わうとともに、すぐさまそれが忘れたころに襲い掛かって来る腰痛の強烈な一撃だということを理解するのである。
何が引き金だったのか。
ブログを書き終わって椅子から立ち上がり、その椅子を左手でずらそうとしただけである。
ただし、椅子は重い。
「重い」という無意識の意識が働いたとしか思えない。しかし、それが中途半端だったのだ。
自分自身ではちょっと力を入れなきゃなと言うあいまいな感覚と、一方で筋肉の方は重いものを動かすのだという無意識ではあっても明確な意思を最初から整えていて、それに備えているのだが、双方の意識の齟齬、ずれのようなものがそこに生じた瞬間、それまでスムーズに流れていた電流の流れが突然阻害されてショートするように、トラブったに違いないのだ。
力を入れようと力みかえった筋肉とそこまでの明確な意識のない司令塔の命令。現場がちぐはぐになるのは当然である。
これらの一連の経緯は、何か絵巻物でもを眺めているかのように、場面場面をそれこそ克明に写し出すように展開していく。
これまでに一度ならず同じような目に遭っているので、絵巻物の描写の腕も上がっているようで、スロービデオか何かを再現しているように分析的にも見ることが可能なのである。
そしてこういう場合の対処法についても学習を積んできているのだ。自慢じゃないけれど…
まず肝心なことはすぐに患部を冷やすことである。塗り薬でも張り薬でも何でもいいのだ。あるものを使えばよい。
無い時? 自分で考えなさい!
そして一番重要なのがしばらく安静にしていることである。
受けた打撃の程度によるが、ボクが庭仕事をしていて、いきなり腰にハンマーの一撃を食らったようなことがあり、その時はやっとの思いでベッドまで這って行って、張り薬をべたべた張り付けてうつぶせの姿勢のまま5、6時間じっとしていたら、砕けたようだった腰は恐る恐るだけれども起き上がることが出来るまでに回復したんである。
昨日もそのひそみに倣い、一撃を食らった後直ちにベッドに直行して1時間あまり静かにしていたら、痛みは若干残ってはいるものの特に不自由はないくらいに回復し、2時間半ほど自転車を漕いで春の陽光をたっぷり浴びてきたりもした。
ま、ボクは経験者だからこういう芸当も出来るが初心者はあくまで安静を貫くべきでしょうナ。
今朝も痛みは残っているが、それは筋肉が炎症を起こしたのだから鎮まるまでにはある程度の時間が必要なのだ。
不幸にも腰にビシッ! という衝撃が来たら、何はともあれ、腰に負担が及ばないように寝転んでじっとしていることだ。それも早ければ早い方が効果が高いようである。
そうすれば炎症はそれ以上広がらない。そして炎症が収まるのを待つしかないのだ。
経験者が語る「ビシッ! と来たらこうしのげ」講座でした。
強いせん定をしたために2、3年まったく花をつけなかったわが家のボケだが、今年見事に復活した
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