青い空はどこまでも高く透きとおり、光は輝きに満ちて地上に降り注ぐ。
天気の良い日はどの季節にもあるが、本格的な夏がやってくる前の梅雨の晴れ間の一時に現れるこれほど清々しく美しい日はそうざらにあるものではない。
特に昨日未明、雷公が激しい雨を伴ってひと暴れした後だからなおのこと。空気まで洗濯して行ってくれたおかげである。
ただ風が強かった。
朝、稲村ケ崎を経て海沿いの134号を車で走ったら、西に向かう本格的な自転車乗りが強烈な向かい風に難渋している姿を見て、怖気を成した。
とはいうものの、こういう素晴らしい天気の日に自転車を漕いで来ないでいつ漕ぐんだ、という声もどこからか聞こえてくるし、かと言ってあの難渋振りはジジイのボクには少しきつすぎる。
で、風が比較的弱いだろうと思われる内陸部を目指した。
君子危うきに近寄らず?…君子は無駄なことはしないのだ。人生いろいろ、君子もいろいろ ♪
行き先は隣町の藤沢市と茅ケ崎市北部に広がる田園地帯。
水田地帯が広がり、小高く盛り上がった辺りにはブランド豚の高座豚を飼育する豚舎が点在する。
ここらまでくると心なしか風の勢いは緩み、それでも田植が始まったばかりの田に植えられた早苗が風にあおられて頼りなさそうなこと…
なぎ倒され、根こそぎ吹き飛ばされるんじゃないかとハラハラさせられる。弱まっているとはいえ、それくらい強い風が広々した水面をなんの遠慮も躊躇もなく自由気ままに吹き抜けていく。
しかし、空の蒼さを映した水面に揺れる緑の早苗の上を渡ってくる風は水の匂いと苗のかすかな匂いを纏っていて好きである。
梅雨が明けてこの苗がさらに育ってくると、今度は風が緑色に染まるのが良く分かり、そうなると緑の香りも際立ち、おまけにイネの上に奔放な模様を描くようになる。
それもまた真っ白な入道雲を背景に描かれるのだから、日本の夏は美しいの一言に尽きる。
そして何より「実り」を育て充実させるのが夏なのだ。
揺籃の夏、養育の夏…そういう夏の到来が待ち遠しい。
自転車で家を出たのだが、風の強さに怖気づき、少しでも風当たりの弱そうな所へと、内陸の田園地帯に向かう
この辺りは時折、風に乗って飼育されているトンちゃんの出す強烈な匂いが漂う
見えているのは丹沢山塊。左の林に沿って伸びる水たまりだらけの道を進むと…
視界が開け瑞穂の国が現れる(藤沢市と茅ヶ崎市の北部)
この辺りではようやく田植えが始まったが、ボクの家の近くの田んぼはまだのようだ
早苗が強風に根こそぎ吹き飛ばされそう
畔や水田脇の畑地に花が咲く
トウモロコシには髭まで生えて、だいぶ太って来たぞ
ん? 横一列…マイカーでやって来ての田植体験
腰をかがめて苗を1本ずつ苗を植えていく。腰は大丈夫? 皆さん腰を伸ばしている時間の方が長かったような…月曜日の仕事に差障りはないのかな
白い雲も田植の様子を見物に
丹沢山塊。左端の雲のもじゃもじゃの中に富士山が鎮座しているはず
近寄って見てもやっぱりもじゃもじゃの中
以下は番外、国道134号編
こちらは09:34の稲村ケ崎から見た富士山(信号待ちの車内から)
17:09の稲村ケ崎は上下線とも大渋滞
そして今朝04:08の東の空
こっちも
こういう朝焼けは滅多にみられるわけではない