ここは広々とした鬼怒川河川敷に本流の流れを引き込み、池や流れの上にさまざまな遊具を置いたもので、失敗すれば水の中にドボンと落下する仕組みである。
平衡感覚が試されるものや、ちょっとした勇気が求められたり、工夫を凝らした遊具が30並んでいる。
中にはこんなもの誰が成功させるんだ? と首を傾げたくなるようなものもあって、それでも去年は姫ともども遊具にしがみつくようにして、何とかクリアしたのだが今回は姫も怖気付いて途中で引き返してしまった。
ここは難しいためか常に渋滞ができ、しじゅう「あぁ~ん、怖いよ~。出来なぁ~ぃ」という悲痛な声が聞こえている。
樽が8個、それぞれロープでつながれている上を越えていく遊具も難しい。
スピードを緩めることなくぴょんぴょんリズミカルに越えて行けばいいのだが、途中で止まろうものなら樽が不安定にグラグラ動くから、水中へドボンは必定なのだ。
体重の重い大人が有利なように見えて、これが逆で、身軽な子供の方が樽の浮力にあまり負荷をかけないと見えて、上手くいくのである。
去年は得意げに行ったり来たりしていた姫は“猿も木から落ちる"の例えどおり、身体を水平にしたまま水しぶきをあげたのだ。
これは実に見事な失敗で、負けず嫌いな姫も「ア~ッハハァ~」と大笑いしたものだ。
かくいうじいじも樽がいうことを聞かず、ひざから下をずぶ濡れにしてしまった。
今回、姫はなんなくクリアしたが、じいじはパスした。
臆病心からではない。ズボンの替えを持ってきていないから、濡れネズミは許されないのである。
フィールドを見回すと中学生以上は馬鹿馬鹿しいと思うのか、小学生の身軽さには太刀打ちできないことを知っているのか、誰も遊んでいない。
遊んでいるのは小学生と付き添いの大人で、中でも、やはり体力もつくのか5、6年生と思しき年頃の子供たちが一番上手なようである。
じいじの年では既に小学生に遅れをとるのである。
何たって使い古した細胞より、新しい細胞の方がいいに決まっているのだ。
日常生活では年齢のことなど特に気にしたことはないが、こうして身軽さとバランス感覚を要求されると、残念ながら「う~む」と腕組みせざるを得なくなってきた。
ちょっぴり寂しいのだ、これが…
ロープが揺れるから油断するとバランスを崩して落下することに…
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