寝る時はいくら寒くてもエイヤッと着ているものを脱ぎ捨てて寝巻に着替え、そのまま布団にもぐりこみさえすればいくら寒い布団の中だって数十秒後にはポカポカになるのだから寒いのも冷たいのも一時の辛坊なのである。
ただ、布団の中が暖まる時間についていえば、これはここ1、2年でずいぶんと様変わりしてきた感じを受けている。
というのは、ボクの印象だと真冬の寒さの底の時期であっても、ものの30秒もすれば布団の中は熱いくらいに暖まったものが今では30秒ではとても暖まらず、1分近くもかかり、場合によっては1分を超えることも出てきたのだ。
畢竟、自家発電能力に陰りが見えてきたと言うことだろうが、これは自分の体力にそれ相応の自信を持ってきた身にとってはオヤッと立ち止まらざるを得ない変化の兆しであって、やがて時の移ろうままに湯たんぽなどがなければ寝付かれないようになるのかしらん、などと心配になってくる。
布団の中で小さく縮こまって暖かくなるのを待つ間、こういうところに人生のたそがれというものが顔を出したりするものなのだなぁ、などと深く嘆息するのである。
去年までは股引もタイツの類も寄せ付けずに済んだのだが、今年はどうなのだろう。
別にやせ我慢などする必要も、そういう気持ちもないからありのままに過ごし、寒くてしょうがなければ身に付けるし、そうでなければはかないだけなの話なのだが、そもそもの発電量が落ちてきていると言うことは、やはり気になるのである。
昨日は二十四節気で言うところ「大雪」だそうで、天地の陽気がふさがり真冬が訪れるころなのだという。
なるほど、ここ数日はグッと冷え込んできていて、今朝の外気温はこの時期では珍しく4.0度しかない。昨日の大雪は3.2度だったし、一昨日は2.3度とこれはもう寒さの底の時期のものである。
どうやら今年の寒冷大王は気が短くて、さっさとやってきたと見える。
短気ならさっさとお帰りいただければ助かるのだが、居心地と気の長い短いは関係ないだろうから長居を決め込まれると厄介である。
第一、そうなれば佐保姫がやって来れないではないか。
ボクにとっては疫病神のような寒冷大王だが、大王のおかげなのか、行く先々で紅葉を楽しんだ。
まず栃木は足利の足利学校とその隣の鑁阿寺、そして同じ栃木の大田原の山懐にある禅寺・雲巌寺。そして、わが地元の円覚寺のモミジも今年はやけにきれいに見えた。
もう一つわが町の獅子舞の谷。ここでは例年なら同時に色づくイチョウとモミジの競演はイチョウの色づきが早すぎてモミジだけというのが誤算だが、色そのものはきれいに出ていたように思う。
で、昨日は用事があって横浜まで出かけ、横浜スタジアムのある横浜公園内を通りかかったら、傾きかけた太陽に透かされた紅葉の具合がアレッと思わず声が漏れるくらいに輝いているのを見つけ、びっくりした。
40数年間にわたってこの界隈を本拠地にして仕事をしてきたのだが、日本大通りや山下公園前のイチョウ並木の見事さは嫌と言うほど見てきたが、ここの紅葉はノーマークだったのだ。
自家発電能力に陰りを感じると見えてくるものというものも世の中にはあるらしい。
これからどんなものを見せてくれるのか、楽しみが増えたと喜ぶべきなんだろうネ、この場合は。
以下は横浜公園の横浜ベイスターズの本拠地・横浜スタジアムのライト後方に位置する「彼我庭園」内の紅葉
左奥に見えている鉄塔はスタジアムの照明塔
おまけ
腹ごしらえした中華街「吉兆」のあさりそば。貝が持つ旨味がしみ出したスープを隠し味のショウガが引き立てる絶妙の一品なのだ
これを食せず、知らずして中華街のそばを語ることなかれ
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