しかし、警察の広報車に加えて地元自治体の広報車まで加わって、同じ内容の注意を呼び掛けているのには正直言ってびっくりさせられた。
いったい何の騒ぎだという思いで耳をそばだてた。
「あなたのキャッシュカードが不正に使われてお金が引き出されています。すぐに手を打たないと大変なことになってしまいます」とかカナントカ言う電話がかかってきてキャッシュカードと暗証番号を持っていかれる被害が多発しているんだという。
そういう注意を警察は婦警さんと思しき優しい声で、自治体に至っては中年過ぎと思われる男の野太い声が静かな住宅地に響くんである。
一種のオレオレ詐欺なのだが「〇〇自治会の皆さん、この地域に集中的に電話がかかって来ていて被害が出ています。お気を付けください」などと、名指しで注意されると「ふぅ~ん、ご近所に騙されちゃった人がいるんだ」とそれなりに興味がわくものである。
この場合の興味というのは「騙されるようなトンマはご近所の誰? 」というノゾキ趣味的な程度の低いものであって、他山の石にしようという殊勝なものでは決してない。
第一、騙されて差し出せるような大金など持っていない身には、出したくたって出せない事情というものもあって、ノゾキ趣味に堕していくのである。
それにつけても犯行グループはよくよく調べているというのか、ボクの家には電話をかけてこないというのはどういうことであるのか。
よもや、あそこにはカネなどあるはずがない、などとバカにしているというんじゃあるまいな。
もしそうなら、そんなことをどこでどうやって調べるというのか。
あの悪名を全国にとどろかせたサガワ君の国税局のGメン並みの査察能力ではないか。
ん?! 犯行グループの裏で糸を引いているのは……。まさかいくらんでもなぁ。
冗談はともかく、残念ながらわが家が大金を持っていないというのは間違いないが、それを犯行グループに知られているのだとしたら合点がいかないではないか。
電話の1本くらいかけてこいや。騙されたふりをしてひっ捕らえてやる!
ところで、電話の1本もかかってこないというのは財務状況を調べ上げられて相手にされないという側面以外に、わが家の固定電話の番号が電話帳に載っていないというのも関係しているのかどうか。
もう20年くらい前から固定電話の番号を電話帳に掲載するのを拒否しているのだ。仮にそれも一つの理由というのであれば、電話帳への掲載をやめるというのも被害予防の手立てではないか。
しかし、警察が特段そういうことを呼び掛けるわけでもないところを見ると、関係ないのかしらん。
たまたまだけれど、昨夕のテレビのニュースでオレオレ詐欺に引っかかって8000万円もの大金を騙し取られたという事件を報じていたし、また別の案件では騙された金額が1億円を超すとかなんとか言っていた。
この種のニュースを耳にするたびにつくづく思うのだが、皆さん本当に大金を持っていらっしゃいますナ。呆れるほどに……
懲りずに今が盛りのわが家のバラを
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