海沿いばかりを走っているので、たまには内陸の田園地帯を漕ぎたくなる。
平らな海辺の道と違って田園地帯への道はいくつかのアップダウンを越えなければいけないが、まっ、これもエクササイズの一つと思って負荷のかかるべダルに込める足に力を込める。
火野正平が上り坂で息も絶え絶えになって泣き言を並べるNHKBSの番組が最近再開されているが、まぁ、その気持ちはよく分かる。
それにしてもヤツが長い坂を下りながら思わず絶叫した「人生下り坂サイコォ~ ♪」はけだし名言だと思う。
お気に入りの田園地帯がある。
わが家から14kmほど離れているその辺りは田んぼと丘陵が折り重なるように広がっていて、丘陵地帯には牛、豚の飼育舎やカキやクリ、ナシなどの果樹畑が点在している。
そこは行政区分でいうと藤沢市と茅ヶ崎市の北部ということになるが、海辺のような脚光を浴びることはないが、湘南の隠れ庭、隠れ畑…いやっ‶隠れ里〟の方が相応しいかも。
時たま漂ってくる匂いにも、どこか懐かしさを感じさせられるところである。
高度成長期に丘陵地帯を切り開いて造成され、新たに出現した街の中を進むろ思わぬところから富士山が顔をのぞかせる。
最後の下り坂を下るといよいよ田園地帯に入る。
急に視界が開けるようなところに差し掛かると、突如、目の前に大きく迫る富士山が目に飛び込んできて「おっ!」と思わず声が漏れる
富士山の向かって右側に連なる丹沢山塊の大山もすごく近い!
午前中の陽の光に照らされて、山ヒダを歩く登山者の姿だって見えそうなくらいだ。
冠雪のお富士山が美しい。
打つも相模湾越しに眺めている富士山だが、たまにはこういうのもいい ♪
丹沢がホントに近い。
耕される前の田んぼにはレンゲの群落
この辺りはまだ田尾輿も行われていない。
秋になるとこの小出川堤沿いはヒガンバナで埋め尽くされる。その堤の灌木の葉の上で葉っぱの緑色とは別の緑色が存在するのに気付いてよく見ると…
アマガエル…!? 風に吹かれて揺れる葉にしがみついたまま、じっと動かなかった。
畑は耕され、種蒔きを待っている?
畑の奥にチラッと見えた集落に入り込んでみると…
立派な長屋門を構えるその奥に白砂と枯れ築山、そして形の良い堂々たる植木と、その間から立ち上がるナンテン…
こちらの蔵のある家の屋敷内の巨大な緑がまた滴るようで…
この界隈は目を見張りたくなるような大きな農家が目につく。
そういう地域だからか、住宅密集地ではトンとお目にかかれなくなった鯉のぼりが泳いでいる。
集落の一角にある観音堂跡。その一角に「ぎゃーぎ婆さん」と呼ばれる、胸をはだけた女性座像があった。風邪の治癒に霊験があるとされているそうだが、「なぜ胸をはだけた姿なのかは、よく分かっていない」と茅ヶ崎市教委の案内板には書かれていた。
カスミソウ
ナガミヒナゲシもまとまっていると見応えがある。
ハナビシソウ
アカバナユウゲショウ
果物の里だけあって柿若葉が光り輝いている。
かくして、普段は青色に染まることが多いのだが、今回は肺の奥まで緑に染まってきた (^^♪