それも昼下がりのけだるい時間帯。本通りが日向と日陰に真っ二つになっていて、銀ギラ銀の太陽が当たる側にはあまり人が歩いていないのに気付く。
わが海沿いの町には強風が吹きまくっていたが、こちらでは時折そよ風が吹く程度。
新橋で電車を降りて目指すは6丁目の並木通りにある風月堂。
この3階のギャラリーで友人の画家が個展を開いているので冷やかしに。
「いまどき絵なんて売れないね」と友人はぼやくが、作品の下に付けられた表題には売約済みを示す小さな緑色の丸がいくつも張られている。
「何だ、売れてるじゃん」
「版画でそれも小さな作品だから手ごろな値段なんじゃない。儲かんないよ」
「贅沢言ってんじゃないよ。いまどき買ってくれる人がいるだけありがたいんじゃないの? 」
「まっ、そりゃそうだけど…」
ボクにも唸るほどのカネがあればドンドン絵を買うのだが生れ落ちてこの方フトコロには空っ風が吹きまくり、仕方ないので見るだけで我慢しているのだ。
昔の金持ちは絵を買ってひそかな楽しみにする人が多かったように思うが、今の金持ちはいったい何に金使ってんだ?
持たざるどころかスズメの涙の額しか受け取れない年金生活者はひがみを交えて首を傾げるのである。
何て言いつつ本音を言えば金持ちがうらやましいと思ったことは一度もなく、食べられて暖かなベッドさえあれば十分! と思える性分に生まれついたことを天に感謝するばかりなのだ。
そういえばどこかにいたね。ナントカのドンファンとか…。お気の毒に。
久しぶりの銀座のメーンストリートでオヤッと思った。
7丁目か6丁目辺りで気が付いたんだけど、歩道の一部を引きはがして木を植えてんですナ。
どうやらカツラらしい。
スゥ~ッと高く育てた株ばかりで、枝が生えているのはずいぶん上の方だけ。ついついファッションショーの針金みたいなモデルを連想してしまう。
2丁目辺りでも同じ植栽工事が行われていた。
ザギンといえばヤナギの並木だったはずで、その銀座のシンボルはもうとっくに忘却の彼方に去って、ここしばらくはクリスマスツリーのような背の低い円錐形をしたモミの木のようなものがモニュメントのように植えられていただけで、街路樹と呼ぶには別な代物だったのだが…
これも五輪を控えての化粧直しということか。
かねて銀座通りに何か涼しげな木でも植えられていたらどれだけ街の雰囲気が良くなるだろうにと思ってきただけに、これは期待できる。
針金モデルみたいな樹形であっても葉が茂れば少しはましだろう。
カツラの葉っぱはハート型をしているのだ。
秋には黄色く黄葉するし、枯れ葉よぉ~♪ なんて口ずさんでぶらついてもサマになるだろう。
なんならいっそ道路はつぶしてしまって緑道にしちゃうことを望むね。。毎日ホコ天だぜ。
新橋を降りて銀座本通りを歩くと街路樹の植栽工事が行われていた。針金のような樹形のカツラ。これが銀座のシンボルになるんだろうか
並木通りを行くと人影がまばらである。全国どこにでも見られる光景?
オッ ここのマーク、風月堂だ
3階に上がると…、やってるやってる「ナメカワコーイチ アラキャット展」
「ア・ラ・キャットな風景」
画家によるとパリの実際の街並みだという
円覚寺の坐禅に誘ったら「煩悩」という作品になった
「デンティスト」。売約済みを示すマークが一番たくさんついていた
「Wineな夜」。エッチングともう一つ何とかいう技法を併用した作品が多かった
box作品も
4丁目の交差点に夏が来る
ボクの腕時計はここで2年に一度ずつくらいの間隔で分解掃除していたけれど最近は…
八重洲口までぶらぶら歩き「絶滅の人類史」(更科功)と「散歩が楽しくなる雑草手帳」(稲垣栄洋)の2冊を買って帰る
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