8月の終わりの昨日、神奈川県下に夕方から大雨警報が出され天気予報サイトの雨雲レーダーを見ると、なるほど、30分後には雷雲が鎌倉方面を通過するという「嬉しい」予報が出ている。
久しぶりの庭仕事をして汗だくになった身体を冷たいシャワーで鎮め、缶ビールと枝豆を用意してベランダの前の椅子に座り、久しぶりに天の底が抜けるような豪快な振りを期待して待ったのだ。
ゴロゴロピカピカも短時間で安全なところから見ている分なら、かえって涼しげな大自然の豪快ショーそのものである。
北の空は真っ黒い雲に覆われ、吹いてくる雲も何となく風雲急を告げている…とまぁ、講談調に書けばそんな具合なのだが、今年の雨雲や雷雲は海辺が嫌いなのか、内陸でどれだけ降ってもわが鎌倉や湘南各地にもたらされるのはスズメの涙かノミの汗程度のお印にもならないような微々たるものばかり。
レーダーはまさにわが町の上空を、それも真っ赤に彩られた強烈な雷雲が北西方面から南東方向に抜けていくと予報しているのはなんなのさ。
ありゃ嘘っぱちか ?
気象予報会社がまさか与太を流すのか ?
悪たれをついたって降らないものは降らない。
結局、ビールを飲みながら待っていると音もなくパラパラと来て、ベランダの床に水玉模様が少しだけで来たなと思ったらそれでおしまい。
時間にして5分くらい。これじゃノミの汗にもなりゃしない。
今年の夏はこんなことの繰り返しだ。
お陰で庭はカラッカラ。
夕立ってのはひとたび降れば猛暑だろうが何だろうが気温を下げるのに役立つし、何より天然の散水車の登場だから地面は湿るし、草花をはじめ植物は生き返るありがたくも理に適った存在である。
まったく目の前が見えなくなるような豪快な降り方が懐かしい。
雷雲が去った後の大空に虹でも架かれば夏らしい夏って言うことになるのになぁ。
午前中は隣町のJAさがみ直営の市場に入って秋野菜の苗を物色してきた。
しかし、苗の数が思ったほどなくて、考えてみれば休日明けは残り物が並んでいるだけかもしれないと気付いたが、それでも〝ナントカには福がある〟で、ルッコラとスティックセニョールとバジルを買ってきた。
どれも1苗77円なり。
これをベランダのプランターに植えた後、特別ミッションに入る。
家の裏の通路が伸びてきた木々の枝が茂り過ぎて通れなくなってしまったので何とかしてほしいという妻の要請を受け入れたのだ。
ゴーグルをつけ、マスクをし、頭から頬かむりをし、さらにキャップをかぶってだぼだぼのシャツにGパン、長靴の完全装備で誰だか全くわからないように変身して汗みどろになって掃討作戦に従事した。
当然、切り落とした枝の類は運び出しやすいように一定の大きさに調え、紐で結わえるところまで。
完全防備の態勢を取ったのはハゼの木が生えているというのでかぶれないように用心してのことだが、蚊が顔の辺りをぶんぶん飛び回ったが、どこにも露出した肌はなく、取り付く島もなかったようである。
フン、ざまぁみろ ! 邪魔立てするんじゃない。
つるバラの一部が水不足でだいぶ傷んでしまった。枯れた枝もあり、枯れた部分を切り落としたりするところまではやったが、こんな完全武装スタイルでは暑くて敵わない。
手の届くところだけ草むしりまでしてやめておいた。
第一、熱中症にも気を付けなければならない。
そんなことで「涼」も求めて待ちわびた雷雨だったのだが、ノミの汗に遠雷がちょっぴり…では何をかいわんやである。
それにしても今朝は涼しい。
ジッとして風に吹かれていると肌寒いくらいだ。
部屋の中は27℃しかない。
月が替わった途端にこうだ。
ホントに今年の夏はどうかしている。
見出し写真はつるバラ「伽羅奢」に絡めているクレマチスの「ロウグチ」
久しぶりの庭仕事の最中ふと顔を上げると瑞々しさはないものの、暑さにめげず健気に花を咲かせている 愛いやつめ もっとせっせと水撒きをすればよかった
片やベランダで鉢植えにしているルドペキアの「ヘンリーアイラーズ」
今年初めて花が咲いたのだが、7月下旬に咲いた花が今もって枯れもせず枝先で咲き続けている ?! ドライフラワーにでもなってしまったか…それとも花版の生き仏か…