今日は午後1時から句会がある。
それだけならいいのだが、正午前後に鎌倉の材木座か由比ガ浜のどちらかの海岸に勝手に行って1句ひねって来いという、吟行句の提出が義務付けられているのがチト厄介だ。
天気予報サービス会社のサイトによると正午の鎌倉は雨量が10mm、風速は南の風8m、11時台では9mmの雨に11mもの強風が吹き付ける予報になっている。
建物が立ち並ぶ街中なら、それでも少しは風をよけるのも可能だろうし、横殴りの雨だって少しは街並みが防いでくれるはずだ。
しかし、吹きさらしの海岸に出れば上から降ってくる雨に加えて強風にあおられて荒れ狂う波しぶきも加わるから、浜辺に5分も立っていればパンツまでびしょぬれになること請け合いだろう。
第一、傘なんか差していられるかどうか。
鎌倉駅から若宮大路に出てまっすぐ南に下ると15分で滑川交差点の材木座海岸と由比ガ浜海岸の接点に至るが、そこまで歩いていく間だって真正面から風を受けることになるから、すでにこの時点で濡れねずみになるだろう。
江ノ電の長谷駅から由比ガ浜海岸の坂ノ下に降りることも可能だ。この場合は5分足らずで浜に出られる。
真面目にミッションをこなそうという同人なら、雨が弱まるスキをついて〝決行〟するだろう。
チャンスがあるとすれば長谷ルート、ここだな。
でも、ボクはやらない。
びしょぬれになるのはゴメンだ。
頭の中で海岸に立つ。
七里ヶ浜や腰越、片瀬西浜、東浜にはしょっちゅう出かけている。由比ガ浜だって浜までは下りないが、浜辺に沿って走る道路はよく通る。
瞼の裏には焼き付いている。
良く出かける七里ヶ浜や腰越だって立派な鎌倉の海だ。
そうだ、江ノ電の車窓から七里ヶ浜を眺めながら1句って手もあるな。
まぁそういうことで君子危うきに何とやら、今日はカンニングをしようと思う。
ここまでは、嵐のような悪天候が控えているという前提で書いてきたが、最近の予報はよく外れる。
今は午前6時を少し回ったところ。
2階のガラス戸越しに見える外の景色はカツラの木が激しく揺さぶられ、隣家の屋根に激しくぶつかる雨が横殴りに吹き飛ばされて煙霧のように視界を遮る荒々しい光景が展開されている。
昨夜もよく降ったようだ。
2階のベランダに並んでいるプランターのパンジーの内、徒長が始まっている株では雨の重みと風にあおられて倒れかけているものがある。
それがさらに続くって言うのか。
これから6時間後にも?
悪天候の予報なら外れていいんだぜ。
でも悪天候予報っていうヤツほど外れないんだろうな。それだけわかりやすい気象条件てものが揃ってんだろうから。
やっぱりカンニングか。
「バーガンディー・アイスバーグ」
2階のベランダのパンジーにキアゲハがやって来て蜜を吸っていった