海辺の町に暮らすメリットの一つが新鮮な魚介類にありつけること。
相模湾なんて…と馬鹿にするけど、ここは駿河湾、富山湾とともに日本の三大深湾と呼ばれ、深いところでは水深1000m以上の水深があり、豊富な魚種の海として知られている。
例えばブリ。
残念なことに今、ブリと言えば富山湾だが、相模湾のブリ漁だって昭和40年代ころまでは大量に水揚げされ、定置網を持つ網元の家の豪華さはつとに知られるところだった。
今でもJR 東海道線の国府津辺りに行けば、かつての〝ブリ御殿〟が残っている。
ところが小田原から真鶴、湯河原にかけての海岸線ぎりぎりに観光道路が作られて以降はパタッと獲れなくなってしまった。
原因は夜間に海沿いの道路を走る車のヘッドライト。
元々真鶴半島には「魚付け林」と言って、魚が寄ってくるように江戸時代から意図して整備されてきた森があり、それがブリにも好まれていたのだが、道路を作ったばかりに台無しにされてしまった。
夜中に海中にまで差し込む強い光に驚いたブリが近づかなくなってしまったからだ。
「相模湾では一年中みられる温帯系の魚のほかに、黒潮系・親潮系、深海系含め日本で獲れる魚約4000種のうち約1300種類もの魚を獲ることができ、そのうちの約300種が食べられる魚です」(神奈川県のホームページより)
ちなみに富山湾では600種類、駿河湾は1000種類だそうだから相模湾の1300種類は群を抜いている。
ということで、普段はほとんど意識しないが、目の前の海は宝の山なのである♪
で、何が言いたいかと言えば、昨日の夕食に今シーズン初めての生シラスを食べておいしかったというハナシ。
それだけのことに随分と大回りしたものだが、いや美味しかった♪
何てったってナマは足が速いから、食べようと思ったら海辺の町まで足を運ぶしかない。
それを地元に住む特権で酢醤油にちょこっと浸し、するっと口に放り込む。
もちろん冷やした日本酒がお供さ…口福♪ 口福♪
相模湾のシラス漁は元旦から禁漁期間に入り、3月11日にそれが明ける。
ところが今年は漁が振るわず、観光客相手の飲食店用に細々と出荷される程度で、町の魚屋まで届かないでいたから、我々の口まで届くわけもない。
それがやっと魚影が濃くなり始めたようなのだ。
網元から直接手に入れた生シラスはきめが細かく、口に入れるとかすかながら甘みさえ感じさせて、久しぶりに堪能した。
話はまた飛ぶが、あの美食家で知られた北大路魯山人は鎌倉に住みながらシラスのことはボクの知る限り1行も触れていない。
シロウオのことは書いているのだから解せない話で、多分存在を知らなかったのではないかとしか思えない。
確かに大正から戦前の昭和の時代ではシラスが商業ベースに乗っていたかは、はなはだ疑問だし、知らなかったのかも。
とは言え、美食家を任じていたのなら、それがどこに隠れ、あるいは埋もれていたとしても鼻で嗅ぎ当てて舌で試して見て欲しかった。
なんちゃって。
(ピッチピチのシラスの写真がないのです。久しぶりの御対面に写すのも忘れてしまいました)
わが家の秘蔵品種 ヤマアジサイの「碧の瞳」
ウインクされたい♪
ルリタマアザミ
瑠璃色に染まるのを楽しみに待っている