スパーロック氏が当時付き合っていたアレクサンドラ・ジェイミーソンは菜食主義者で、しかも「有機栽培された新鮮なもの」に拘っていたので、マクドナルドのメニューに嫌悪感を覚えていたそうだが、実験終了後、有機栽培された新鮮な野菜を使った「解毒食」を作って体重を元に戻そうと試みたが(『素晴らしきアメリカ式解毒食:8週間で実現できる減量と健康』 ISBN 1-4050-7771-9 が出てるのでよろしく)、元の体重に戻るまでに1年と2ヶ月を要したそうだ
ツイッターでも書いたが、「レボリューション9」はテープの逆回転や加工などのコラージュが8分も展開されて、音楽的でない内容から存在が今でも疑われているナンバーで、ポール・マッカートニーやジョージ・マーティンですら「レボリューション9」を収録する事に疑問を持った曰く付きである。
私も「この世界の片隅に」を見るまで「レボリューション9」は聴くのを避け、MDに入れる際にも「レボリューション9」だけ外して全く聴かない事にしていた。未公開テイク集の「アンソロジー3」で「Not Guilty(ジョージ・ハリソンのナンバー。100回もテイクを重ねたが、結局報われずじまい。この歌を入れなかったのも惜しまれる)」や「What's The New Mary Jane(こちらもジョン作)」とかがあったが、これらの曲が未発表にされて「レボリューション9」が入れられた事に疑問すら芽生えたが、しかし、「この世界の片隅に」を見た事で、ジョン・レノンが「What's The New Mary Jane」を外してまで「レボリューション9」を入れたかが、良く分かった。
太平洋戦争という混沌と絶望に満ちた世界の中で、それでもすずさん達がやりくりしながら生活していた事で、「この世界の片隅に」は多くの評価が殺到したが、その一方で、暴力を使っての解決には疑問を覚える。
「レボリューション9」の本編である「Revolution」は、暴力で世界を変える事に疑問を投げかけたナンバーで、「レボリューション9」は、歌詞を読んでも理解しない人の為に用意したものです。
The Beatles - Revolution
ポールはジョンやジョージのように、体制に対して鋭い批判を殆ど展開していない。
「アイルランドに平和を」と言う例外があるが、デモに軍隊を投入して17人も殺したという事件には、流石のポールも黙ってはいられなかったのだろう。
Paul McCartney - Give Ireland back to the Irish
政治体制を鋭く批判するジョンに、ポールはラブソングや普通の生活の良さを歌うスタイルで望んだから、解散後も二人は互いに自らの持ち味を磨いていき、70年代でも不動の名声を得たのかもしれない(ポールをdisした「How Do You Sleep?」と言うナンバーがあるが、見方によれば「ポールは僕の運動に関わっていないから、彼まで巻き込むなよ」と解釈する事も出来る)。