私たちは,長年,様々な論点についての求釈明を中信側に求めてきました。本件融資に関する返済金が融資取引履歴の電算記録(COM)上,二重に支払ったこととされているという「二重取り」の論点についても同様です。
ところが,中信は,大阪高裁13民訴訟の弁論が終結される期日(AさんとHさんの尋問期日)において初めて,その期日の席上で準備書面を提出することで弁解をしたのです。つまり,「二重取り」に関する中信の準備書面が弁論終結当日に突然提出されたのです。
もちろん,私たちとしては,読む時間もなく,提出の時期が時機に後れているとの抗議をしました。
そして,裁判長も,この時期の提出は「意味不明」と調書に残しておきましょうかと述べられました。その言葉どおり,Hさんのみならずその場に同席した全員が,裁判所が中信のその準備書面の主張を取り上げることはないと信頼することになりました。
そこで,Hさん側は,その準備書面に対して,反論や弾劾の機会が与えられないまま,大阪高裁13訴訟の弁論は終結されることになりました。
私たちは,裁判長の「『意味不明』と調書に残しておきましょうか」との言葉を信頼していたため,原判決の言渡しに至るまで,それ以上の書面での抗議を行うことはありませんでした。
ところが,原判決では,当該書面の主張をそのまま引用して,裁判所の判断としたのです。
その箇所とは,
「上記のような記録が残されたのは,被控訴人における融資の事務管理上,本件貸付けについて,控訴人明名義の貸付元帳と控訴人ら連名の貸付元帳による管理が一時的に併存するような事態に至ったからと推測されるだけであり」(原判決65頁)
という箇所です。
しかし,このように裁判長自らが「意味不明」と期日調書に留めると発言しながら,その主張をそのまま判決の基礎として引用するのは,訴訟の一方当事者である私たちの反論権を排斥するものです。民事訴訟における当事者の弁論権を侵害する違法なものです。
私たちは,裁判長のその言葉を信じてしまったがゆえに,その準備書面に対して,反論や弾劾の機会が与えられないまま結審してしまったのです。私たちがその裁判長の言葉を信じたことが間違っていたというのでしょうか。こんなことは,裁判所による,いわば騙し討ちなのではないでしょうか?
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