大学の頃、サッカー部の友人が京都の深泥池(みぞろがいけ・・・おどろおどろしい響きでしょ)という、その手の話で知られた所に高校時代の悪童ドモと見物に出かけると言う。物好きな奴らだと笑っていたが、その後の話が聞こえてこない。こりゃ何にも無かったんだろうと思っていたら、ゼミの飲み会で言われた。『何人かが幽霊を見たという場所のそばに車を止め、見張ってたんですよ。』・・・ふむふむ。
『夜中になっても何とも無いんで、そろそろ帰るかと言ってた時に・・・いきなり車が動き出して・・・叫びましたわ』 あのなぁ、サイドブレーキの引き忘れやろ? 『ちゃんとかけてましたて。それやのに動いたんですよ。どんだけ怖かったか』 この時は聞き手全員が車の欠陥を主張して、話の主を小馬鹿にしていた。だいたいやね、妙な所へノコノコ出掛けるからそんな目に会うんやないか。出ようが出まいが、ぼーずは根が臆病者なので絶対にこんなトコへは行かない。
そう言えばローラーコースターで怖い思いをしたことがあった。欧州では移動遊園地と言うものがある。開拓時代の西部劇なんかにも出てくるサーカスの付属設備みたいなものをトラックや汽車で移動させ、河川敷のような広場で組み立てる。どちらかと言うとゲームが中心なのだが、フランクフルトに来た移動遊園地にはなんとローラーコースターがあった。
組み立て式なので高さもそこそこで、規模も小さい。一言で言えばとにかく狭い。浅草の花やしきが広く見えるくらいだ。恐らく強度を上げる為だろうが、あちこちで柱や軌道同士を連結し、二段三段に組まれていた。動物の腸が狭い体内で巻いて長さを稼いでいるようなものか。広さこそないが、狭い空間に軌道がびっしり詰まっているように見えた。
面白半分にかみさんと乗ってみたが、走り出してすぐに後悔した。乗るんじゃなかった。メッチャ怖いのだ。狭い空間に詰め込んであると言うことは、おもいっきり落としておいて、左右に振るということになる。その度に横Gがかかり、頭がつかえそうな鋼鉄製のゲートを次々に猛スピードでくぐって行く。座高の高い奴はヘルメットを被った方が良さそうだ。てっぺんに飾りのついたプロセン風はお勧めしない。
実際はそんなに出ていないのかもしれないが、アウトバーンで鍛えたこの身にもすごいスピード感だった。最初は余裕だったかみさんは『もう降りる』と途中で泣き出した。可哀想だとは思うが、このキップ途中下車無効なのだ。目をつぶって数でもかぞえていろと言う。多分30も数えないうちにコースターは止まったと思う。二度とこんなもんには乗らん、そう心に誓いながら階段を下りた。
やっと大地を踏みしめた(笑)。ふと横の鉄骨を見ると部厚い60cm角くらいの四角い鉄板を敷いた上に乗っている。隣を見ても同じ。写真が無いので説明しにくいのだが、鉄板は置いてあるだけで、地面に杭等で固定されているわけではない。要はこの何十いや百数十枚かの鉄板の上にコースターのレールは載っているだけ。そう、動かなかったのは自重と僅かの摩擦によって固定されていたからだ。怖ぇー。・・・しつこいようだが・・・もう絶対に乗らんからな。
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