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狂気の花

先週見頃だった桜だが、温度が下がったせいか、まだ散る様子がない。根性で今週末まで持たせそうな雰囲気だ。古来、日本人は桜の花見はしなかったと書いたのは坂口安吾だった。桜花は人を狂わせるという言い伝えが古くからあり、本格的に花見をするようになったのは江戸時代からだと彼は言う。

確かに昔の花見は梅の方が有名であるが、本当に江戸時代以前は桜の花見をしなかったのだろうか? ソメイヨシノは葉が出る前に開花し、いっせいに散る。花見には適した種類であるが、世に出たのはせいぜい江戸時代の終だそうだ。それまでに山桜を愛でた人もいるんじゃないかな?

反面、満開の桜が人を狂わせると言う言い伝えも的外れじゃないと思う。会社の友人イワオは井の頭公園、合コンの席で見物客が飲み残し置き去りにしたビールを飲みだした。ホームレスを経験した漫画家の吾妻ひでお氏は飲み残しのビンにはしばしば危険な液体が入っていると言っていたが、イワオはいまだ元気に生きている。それを一緒に飲みだしたのはフィアンセを連れて来たアオキだが、学生時代は井の頭池を泳ぎながら花見をしたと言う。花が悪いのかこいつらの育ちが悪いのか(笑)。

80年、ぼーずは浜松にある社員寮に住んでいた。アホな友人の一言がいけなかった。『今から花見に行こうや』夜中の1時に言い出す事ではない。アホの友人も大抵アホであるからして、全員アホの我々はいそいそと出かけた。市役所の横に浜松城公園という所がある。今は広く、且つ整備されているようだが、当時は単なる広場だったと記憶する。あたり一面に桜が咲き乱れ、我々の他には誰もいない。夜桜見物の照明はとうに落とされ真っ暗な中、桜の花だけがやけに明るく浮かび上がり不気味な様子を呈していた。

加えてその頃隣接していた動物園から色んな鳴き声が聞こえ、アヤカシが出ても不思議ではない程だった。『パォー』と象が鳴いた。我々にはそれが『アホー』聞こえた。運転手以外で飲もうと持ってきたビールを飲むには寒すぎ、我々は早々にそこを立ち去り、寮に戻った。

写真は通勤路、見事な桜のトンネルである。ここを通って会社に着く頃、狂いは絶頂期を迎える。最近会社でぼーずがおかしいのはみなここから来ている。嘘と思われる方は和光市の樹林公園を訪れて頂きたい。今週末がピークだと思う。

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