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金杯物語(その4)

カップスの一番の凄さは音が個性的だったことに尽きると思う。歌ならともかく、間奏を聞いて演奏者が判ることは意外に少ないのではないか。カップスはこれが良くわかった。ギターのコウちゃんに独特の低音を合わせていたのがマー坊と呼ばれていたルイズルイス=加部だった。デビュー当時メンバー全員がハーフというデタラメをレコード会社が宣伝に使ったのはひとえにこの人のルックスに依ると思う。(実際はケネスと加部の二人だけ、日本人顔のトキさんはおじいちゃんがインデアンとか言ってたそうだ)

元々はギタリスト、それもかなり凄腕で有名だったらしいが、バンドに合わせてベースに転向したため、ギターに未練を残しており、それが独特のリードベースとも言われていたメロディアスな音を生んでいた。矢のようなシェイプの変わったベースを低めにセットし、長い腕を生かしてピック弾きしていた(因みに彼は中期カップスではリードギターだった)

今でこそパンクの連中はこういうストラップを長めにセットした弾き方をしているが大半は正確なフレーズなんか弾いていない。今は消えたがベース漫談の『さがぁ~』とやっていたお笑いを思い出して欲しい。位置が低すぎるからネックを立てる。ピックはアップダウンで斜めに当てるので魅力的な低音は出ない。ま、元々お笑いにテクを求めてはいけないんだろうが、一応パンクは音楽だ。

ぼーずは基本的にベースは2本の指で交互にすくい上げる、クラシックで言うアポヤンド(実際は微妙に違う様だけど)奏法の音が好きで、ピック弾きは嫌いなのだが、マー坊の音だけは別だった。恥を忍んで言うと・・・ベースを弾くようになったのはかなり彼の影響で、真似をしたのだが・・一向に物にはならなかった(笑)。

矢のような変わったシェープのベースは彼と弟バンドと言われたパワーハウスのベーシスト柳ジョージの二人しか使っているのを見たことがなかった。ベース辞典みたいな本にケイ(Kayアメリカのギターメーカー)製と書かれていたような記憶はあるが、ネットで調べても出てこない。よくぞまぁ探してきたもんだと思う。これも今買うと恐ろしい値段になっているかもしれない。

例の火事で必死に持ち出したのはこのベースだったんだろうか?因みにカップスは親が裕福だったのか、楽器はかなり良いものを使っていた。コウちゃんのテレキャスやリッケンの12弦は言うに及ばず、タイコのマモルなんぞ、廻りが国産のパール全盛時代に最高級のRogersドラムセットを使っていた。ホントに羨ましい人達だったのだ。

やっと終わり。

※おせっかいな筆者註:アローシェープの変わったベースはイタリーの楽器メーカーEKOの製品だった。ロケットベースと標記されている。今は中国製の模様(2023-2-14加筆)

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