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住宅地の川

それは不思議な川だった。川面が規則正しく波打つのだ。ぼーずが中学、高校に通った通学路沿いに、住宅地の中を流れていた川の話。ここでは幅10m程の川床を濡らすかのように薄く流れる水面に20m毎に、ささやかな波が立った。急な流れを和らげるため、階段状に付けてあった堰のためかも知れない。

3面を石とコンクリートで固められた溝のような川だった。カヌー乗りの野田トモさんに『悪魔の所業』と罵倒されなかったのは、ひとえに浅い流れのおかげだった。普段は精々3~4cm程度の水深しかなく、あれではカヌーどころかゴムボートですら川下りは不可能だ。

28日、ニュースを聞いて嘘だと思った。人が流されたり、溺れたりする所ではない。神戸の都賀川で4人の方が亡くなった事件を聞いた時ひょっとしてあそこでは?そう思い地図を見た。ビンゴ。この川の名が六甲川という事が今になって判った。それよりも西、昔カナディアン・アカデミーがあった辺りから流れている川は杣谷川というそうだ。

その2本の川が阪急神戸線の辺りでY字に合流し、そこから都賀川となる。惨事はこのすぐ下流で起こった。引率の人達を責められないと思う。普段は水溜りのような川なのだ。強いて言うなら豪雨になった時点で、濡れ鼠になる事を恐れず、逃げるべきだったのかもしれない。

そもそも杣川(そまがわ)とは木材を流す川という意味だ。杣谷川という名はそこから来たとすると、昔は水量が多く川幅もあったに違いない。水量にあわせ川幅を狭めたとしたら大雨の後、流れがきつくなるのは必然だ。加えて杣谷川、六甲川は共に急勾配の土地を流れている。ぼーず達は平行して走る道を駆け上がって登校していたが、親たちは心臓破りの坂と呼んでいた。

木を切り、そこを舗装する。底をコンクリートで固めた川を直線に流す。大雨が降れば一気に下流へ下る川が完成した。六甲山系から流れる川は皆こんなタイプといってもいい。われわれは自然をなめ過ぎていないだろうか?しっぺ返しを食わないと、こんな事も判らぬようになった自分が悲しい。

亡くなられた人たちに合掌。
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