発端は西山議員の思想改革
実はこの問題は村外にも波紋を広げている。
9月中旬、県中地区の男性からこんな投稿が寄せられた。
『双葉郡川内村議会で議員辞職勧告決議案が可決された。理由は議員個人が発行する機関紙を議会が発行前に審査する約束だったが、それを守らなかったため、と新聞報道にあった。しかし、議会が議員個人の機関紙を審査する事は、憲法第21条「集会、結社及び言論、出版、その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲はこれをしてはならない」といった基本的人権の保障を逸脱する。憲法遵守義務をわきまえない議会の職権乱用の違法行為である。地方議員の体験のあった作家、杉浦民平さん(故人)は、「日常生活では真面目で常識を持った人が大部分を占める地方議員が、役所、特に議長に入ると、一般住民と別の世界を形作ってしまう。そのくせ、ほとんど議員が日本国憲法も地方自治法も知らないし、財政に対する知識も意識もない。しかも住民の利益を考えることを忘れて、やたらと与党になりたがるし、権力の一端に参与したことを誇る、、、、」と書いている。
上記のように市民派と言われる新人議員と、女性議員を与党と言われる議員が集団で『いじめ』る、議会が市町村を問わず、全国的にかなりの数がある。
地方分権の受け皿である地方議会がこのようなレベルの低い議会であれば、
地方分権の推進がなかなか進まないのもある程度理解できるでしょう』こうして第三者の見解を聞いてみると、議会に非があると考えている人が多いことがわかる。
奇しくも他地域の議員県中地区在住の投稿者はともに『いじめ』と言う言葉を使っている。
西山議員は川内村出身、双葉高校を卒業後、東京に出て勤務し、その後は東京や岐阜などで生活していたと言う。夫の出身は県内ではないが、平成6年に西山議員の故郷である川内村にUターンしてきた。そして外の空気を吸ってきた西山議員にとって、
今の川内村にはとても現代の出来事と思えない、と言うようなことがままあるようだ。「過去には村長選に絡む買収騒動に巻き込まれたこともあるし、選挙の報復として建設会社の指名外しが行われ訴訟に発展、その時はオンブズマン訴訟の世話役を任されたなかで、身の回りで起きている不可解なこと、黒い噂などに触れてきたのです」そう語る西山議員が初めて村議選に出馬したのは平成15年4月、この時は最下位落選だった2度目の挑戦となった19年4月には定数12人に対し13名立候補119票で初当選を果たした西山議員が、信条としているのは議会改革と税金の無駄遣いをなくす、ことと言う。その一環としてくだんの機関紙では「議員報酬は、一律月50,000円、
期末手当なし、活動経費は領収書添付で支給、議員としての活動は報告制にする。
(その成果が村民に認められれば少々のボーナスを)と、提案している。同じく、機関紙では自身の議員報酬、期末手当の手取り総額を示し、どんな活動にどのくらい使ったかを明確にしている。さらに同議会では積み立てと称して、毎月議員報酬から20,000円が引かれており、西山議員によると、これは祝い事やイベント、葬儀等の際に議会として出す祝儀や香典等のための慶弔費としてして徴収されている、と言う。
ただ、「実態は視察研修旅行のための積み立てとなっており無駄だから本当に慶弔費として徴収するのなら月5000円程度で充分。と、改定を訴えたが、受け入れられなかった経緯がある。また視察そのものについても議員になって最初の年は参加したが単なる物見遊山だったとして、2年目からは参加していないと言う。
西山議員のこうした言動が同僚議員から煙たがられているのは間違いない。
今回の騒動はこれが根本にあるのだろう。
最も傍目にはそれが『いじめ』に見える事は、前述した第三者が指摘している。
議会中に視察旅行
ところで、先に視察旅行について話題が及んだので、それについて1つ指摘しておこう。同議会は9月議会会期中の9月16日から四国に視察に出かけたのだと言う。
何でもバイオマス資源を推進しているところの視察なんだとか。
本来は9月議会が終わってから視察に行く予定だったようだが、議会騒動があったため会期を延長した結果会期中の視察となった。全国的に議員の視察旅行に批判が集まる中、議会終了直後(実際は会期中だったが)に視察に行くとは、単なる『打ち上げ旅行』にしか見えないが、、、、。
そんな経緯もあって、本誌は審議を拒否した議員から詳しい話を聞くことができなかった。一方議長には議会事務局を通して、議会を円滑に進めると言う立場から、今回の騒動についての見解を聞きたいとアポイントをお願いしたが、これについても返答は寄せられていない。ついでだから言うが、今回の視察は意義が乏しいと断言できる。以前県外のある自治体に取材に行ったことがある。そこは全国各地から視察が訪れる先進的な行政運営をしているところだが、そこの担当者は、本誌の取材にこう語った。ウチでは議員の視察は受け付けていない。なぜなら、議員がウチの取り組みを知ったところで、帰って自身の自治体に反映できるわけでは無いから。
議会ではなく執行部が本気でウチの取り組みを参考にしたいと言うなら喜んで紹介するが、単なる物見遊山ならお断りです」議会はあくまでもチェック機関であり、執行部ではない。そこを基本的に考えると、例えば、議会改革の先進地を視察するのであれば効果もあろうが、そうでなければ意味は乏しい。
今回の視察費用については未調査だが、もし、一部でも公費が入っているのなら、村に目に見える効果をもたらさなければならない。それができないなら、そんな無駄な視察は今すぐやめるべきだ。話がそれたが、こうした指摘をしたのは同議会の『レベル』を示すため。今回の「延会騒動」と言い「会期中の旅行」(本来は打ち上げ旅行になるはずだった)と言い、そんな議会ではとても村の発展は望めない。
******* 政経東北、2009 10月号 転載
もう一つの裏事実、
この時の、視察旅行を無駄旅行と位置付けて、欠席したのですが、議会から、自分たちは研修旅行に行く、その研修に欠席したなら、その間、研修に見合う、何をしたのか報告せよ、と言う趣旨の通達が来ました。
私は、村民の負託を受けている議員であり、何故あなたたちの指示に従わなければならないのか、法的根拠を示してください。と回答、それで終了となりました。
2021 6/24