白熱した議論が繰り広げられる上記研究会が開催され、
当科から、大石醒吾医師が『治療に難渋した術後収縮性心膜炎の1症例 』
を発表いたしました。
フロアから
バソプレッシンレセプター拮抗薬であるトルバプタンンの使用は可能だったか?
収縮性心外膜炎の治療のむつかしさ(経時的に剥離が困難になるので、
剥離は当初の時点で確実に行ったほうがよいなど)
などのコメントがありました。
当院以外からは、国立循環器病研究センターと4つの大学
病院からの演題があり、
ATTENDは日本における心不全治療薬としてドブタミンの使用が多いと報告しているが、
ドブタミンのまれな副作用としてのドブタミンアレルギーが疑われた症例(III型アレルギーを起こす
可能性があり、0.5-5%の報告)、
拡張型心筋症症例の心不全像悪ケースでのカテコラミンの使い方として、
1) ベータ遮断薬は基本的に中止せず、ドブタミン開始すること、
2) PDIII阻害薬は少量では細胞内のcAMP濃度を増加させることでinotropicに作用するが、
容量が増えるとlusitropicとして血管拡張作用がでてくる、
心不全のクリニカルシナリオ(CS1-4)の解釈として血行動態を
resistance(tone)亢進した状態:CS1 BP>140mmHg→血管拡張薬,NIPPV
pump failure:CS3 BP<100mmHg →カテコラミン、 補液
volume overload:CS2 100
しかし実際は経時的に変化もしうること、
特に最初血圧が高くCS1と思われた症例でも、NIPPV のみでCS2となることもあるし、
CS1で血管拡張薬でかえって血圧が下がりすぎCS3になってしまうこともあり、補液が必要なこともある。
CS2でもNIPPVと利尿薬で血圧が下がりすぎることもあるので、注意を要する。
などの話がありました。