札幌に <Re~らぶ>という高次脳機能障害の自立支援施設がある。
そこでは、毎週水曜日、昼食後の休憩時間に、ボランティアによる絵本の読み聞かせを行っている。
絵本の読み聞かせのあと、施設の利用者さんたちの感想の語りあいが始まる。
必ずしも、読んだ本の感想ではなく、その内容から喚起されることがらだったり、語られる内容は様々で、その発想、発言に、いかに自分は固定概念に拘束された考え方をしていたのだろうと驚かされたものだ。(そうそう、私も微力ながら、この活動に関わっているのでした。)
この <Re~らぶ> の活動は、 (かもがわ出版)
いろいろな人たちの力で、一冊の本になっている。
昨年度のIBBY(国際児童図書評議会(International Board on Books for Young People)の推薦図書に選定された。
さて、本題。
『パパ、ぼくがそばにいるよ』の作者、かずさんがご自身の著作絵本を、ある日、<Re~らぶ> で読みきかせをしたのだ。
その絵本がこれ →
すると、参加していた利用者さんが、窓の外を見ながら、言ったのだそうだ。
「息子が、雲を指して、なにか言っていたけど、なにを想像していたのかんぁ…思いだせないなぁ」と。
高次脳機能障害とは、交通事故などで脳にダメージを受け、そのためにいろいろな症状が生じる障害である。
その多岐にわたる障害のひとつに記憶障害がある。
この絵本は、そのかずさんが、読みきかせをしたときに、ぽつりとつぶやいた人がモデルになっている。
とても、良く描けている。
高次脳機能障害という症状について。
そして、そういう症状の人を支える家族について。
絵も良い。
福田岩緒さんの絵が、語られる物語を、暖かく包み込んでいる。
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