昔から言われている怖いもののたとえ、「地震・雷・火事・オヤジ」。
我々設計者は、歴史的にも、これらのものとは常に戦ってきて、なにか大きな災害がおきるたびに、設計する建物にも改良に改良を重ね、その大元となる建築基準法も改正を重ねてきました。にもかかわらず、新たな天災には未だに確実な勝利、とまでいかない状況のようです。
地震では、言わずと知れた「3.11」尋常でない被害が出ました。
阪神・新潟・・・と大きな地震での教訓として、これからの建物は耐震・免震・制震、などと改良を重ねてききました。ストック建築物対策で、耐震補強の大きな予算をとりました。その結果、地震そのもので建物が倒壊するような被害は思ったより少なかったのかもしれません。
しかし、やはり木造家屋は津波には弱かった。跡形もなく流されていく新築家屋・・・そして太平洋沿岸部での液状化被害、また、原子力発電所の地震でのもろさを目の当たりにしている現状、結局は人類はまだ地震には勝っていません。むしろ惨敗です。
悔しいけれど、結局は「想定外」という言葉で片づけて、今後の教訓に・・・ということの繰り返しなんです。
そうはいっても、最後の「オヤジ」は怖くないぞ!などと思う人も多いかも知れません。
いやいや、昭和のオヤジは怖かったんですよ。サザエさんの波平のような・・・って、いや、この場合のオヤジとは「台風」のことなんだそうです!
もともとこの「オヤジ(親父)」は「大山風(おおやまじ)」からきているそうで、大山風=台風のことなんだそうです。
台風ではありませんが、先日は、台風並みの竜巻被害で、わずか14歳の少年がお亡くなりになりました。
それも「想定外」である天災には違いないのでしょうが、今の木造家屋のほとんどが、風の吹上によって屋根が飛ばされないようにする「ひねり金物」を設置し、基礎土台と柱との連結を強める「ホールダウン金物」も設置してあります。
建物を支える「耐力壁」自体も、建物形状によって風圧力を考慮し、十分な耐力をもたせ、バランス良く配置しているはずです。
どうしてそれほどまでの被害が出たのかと、ニュースの映像を見て驚きました。現場では鉄筋コンクリートの基礎ごと、風に持って行かれたような映像が映っていました。
それでは建物自体の締結を強固にしたところで意味が無い。あとは杭でも打たないとダメなのか・・・
様々な天災・・・それらに完璧に勝てるような建物ができるように日々我々は努力しなければいけませんね。
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