白血病闘病記は(1)で一旦終了します。

白血病闘病記(2)「再発編」は、後日掲載予定です。
少しの間、撮り溜めた写真をアップしていきます。

通用しなかった概念

2021-10-23 16:01:55 | 日記
 2017.07.08

  以前の再入院の心構えとは少し違った。

  痛みに対しての不安を抱えたままだ。

  ただこの最後の再入院ですべて解放される。

  翌日にかけてさらに痛みは増してきた。

  血液内科から出る処方箋も痛み止めだ。

  リリカの最小量から始まる。

  特に痛みに特化した薬剤で、その日服用後は痛みは治まり静かに

  眠りにつけた。

  よく朝、

   「いかがですか?」

  主治医のいつもの往診に少し安心した。

   「だいぶマシになりました。」

  ウソでなかった。

  本当に少しマシになったのである。

  ただ心の中には、

  (本当はもう少し痛く、このままでは済まない奥の深い何かがあるような

   気がしていた。)

  いつもの副作用予防と治療の薬に加えてラインナップが増えた。

  採血検温も普通に行われ、この痛みがこのまま消え去ってくれたら

  いいと…

  期待は大はずれだった。

  その日の夜からさらに痛みが増していった。

  痛い。

  腰をひねり左腰に目をやった。

  何とか見て取れた。

  赤いポツポツが目に入る。

  全体は自分では見れないが、看護師さんはくまなく見てくれる。

  まず炎症の治療と防止の塗り薬を塗り、次にその部分を覆うように

  ガーゼを敷きテープで固定。

  ポツポツそのものは痛くも痒くもないのだ。

  いたみはさらに悪化し、とうとう睡眠にまで影響してきた。

  痛みは断続的にやってきた。

  左のおしりの奥底にある神経細胞を容赦なく、ヘルペスウィルスは攻撃

  してきた。

  手首のぞうきん絞りならまだマシである。

  (この表現はわかる人にはわかるが…)

  おしりを竹刀で叩かれるのもマシである。

  おしりの皮を指でつねられ、それをさらに引っ張られるのもマシである。

  おしりを遠目の火であぶる(決してまねはしない様に…)

  その方がまだマシかと思うくらいの激痛がやってきた。

  表皮から手を突っ込み、奥の方の神経の束を掴み、そのままぞうきん絞り

  をされている。

  とにかく今までに感じたことのない痛みが襲ってきたのである。

  断続的に終わりなく続くのだから睡眠どころではない。

  よくテレビなんかで、「昨夜は痛くて眠れませんでした」

  という表現をするのを見た事があるが、

  (いやいや、いくら何でも眠れないなんて。

   しかも寝てしまえば痛みなんか忘れて、気が付けば朝ではないか。)

  そんな甘い考えはまったく通用しなかった。