介護の技術・知識のまとめ

研修で学んだこと、職場で経験したことなどをまとめた場所です

血圧の測定

2021-03-23 11:59:43 | バイタルサイン

正常値 120/80mmHg未満(日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインによる)
WHO基準では、140/90mmHg未満とされる

年齢、性別、時間差、運動、気温、食事、睡眠、感情の変化、姿勢で変わるため、常に同じ条件で測定すること

片麻痺がある場合は、健側で測定すること

平常時の血圧が正常値内であれば、突発的な上昇はそれほど問題にしない傾向がある

診察室血圧の方が、家庭血圧より高くなる傾向があるため、高血圧の治療判断としては、家庭血圧を優先する


脈拍の測定

2021-03-23 11:53:34 | バイタルサイン

脈拍の測定箇所

  1. 橈骨動脈 手首
  2. 上腕動脈
  3. 浅側頭動脈 こめかみ
  4. 頸動脈
  5. 大腿動脈 足の付け根
  6. 膝窩動脈 ひざの裏
  7. 足背動脈 足の甲

橈骨動脈が一般的だが、血圧が下がると脈拍が分かりにくくなる。
心臓から遠くなるほど低血圧の場合に分かりにくくなるが、心臓に一番近い頸動脈は首の動脈なので、測定の際は注意する

脈拍は、人差し指・中指・薬指の3本をそろえて、指の腹を動脈に当てて測定する

強くギューッと抑えて拍動を感じなければ、血圧は正常。脈圧が押し上げる感覚がある場合は高血圧を疑う

健康な成人の脈拍数 60~80回/分 女性は少し多い
運動後、食後、排便後、入浴直後は脈拍数が多くなり、睡眠時には減少する
常に同じ条件で測定することで、変化に気付くことができる

脈拍のリズムが一定であることが大切
測定時は、回数のみならず、リズム、大きさ、緊張度(押し返す力)も感じること

 

脈拍の異常

  • 頻脈 100回/分以上
  • 徐脈 60(50)回/分未満
  • 不整脈 脈拍のリズムが一定でない

安静時に急な変化がなければ、拍動数だけでは病気と判断できない

  • 急な変化がある時には要注意

呼吸の測定

2021-03-23 11:43:50 | バイタルサイン

呼吸数の測り方

  • 手を利用者の腹か胸に軽く置いて、1分間その動きを数える。胸腹部の上下運動を観察する方法もある
  • 呼吸数を測っていることを知られると、速さやリズムが変化してしまうので、いつ測ったか本人に気付かれないようにする
  • 誤差が大きくなるので、最低でも30秒は数えること
  • 健康時の呼吸数は、成人で16~20回/分

 

呼吸数の異常

  • 頻呼吸 24回/分以上 発熱、肺炎、呼吸不全でよく見られる
  • 徐呼吸 13回/分以下 脳圧亢進でよく見られる 脳出血、脳梗塞、薬剤の影響など、命が危ないことを疑うこと

リズムの異常 どのタイプの異常であっても、意識がなく命の危険が迫っている状態と認識すること

  • チェーンストークス呼吸
    無呼吸が数十秒続いた後、呼吸が徐々に増大し、次いで徐々に減少し再び無呼吸になる。これの繰り返し
    脳出血、脳梗塞でよく見られる
  • ビオー呼吸
    大きな呼吸がしばらく持続した後、突然消失し、しばらく無呼吸が続き、再び大きな呼吸が始まる
    髄膜炎でよく見られる
  • クスマウル呼吸
    呼吸数が少なく、以上に深い呼吸が規則正しく続く
    尿毒症、糖尿病性昏睡でよく見られる

呼吸音の異常(喘鳴(ぜんめい))

  • いびき音(グーグー)
    比較的太い気管支が狭窄した場合
  • 笛音(ヒューヒュー)
    細い気管支が狭窄した場合 気管支喘息、異物吸引、など

体温の測定

2021-03-23 11:33:18 | バイタルサイン

腋窩(わきの下)での体温を測る際の留意点

  • 体温計を挟む前に汗を拭く
    濡れていると正確に測定できない
  • 片麻痺がある場合は、健側で測定する
    患側は血液循環が悪く代謝も低いため、体温が低くなりがちである。また、利用者が側臥位になっている場合、特に下にした部位での測定では体温が低くなる
  • 腋窩の中央より前寄りに、下方からくぼみに向かって差し込む
    体温計の先端部が皮膚に密着しているかどうか確認することが必要である。動脈に当たるように差し込む
  • 自分でできない場合、検温している側の腕を介護職の手でしっかり押さえる
    痩せている利用者の場合、皮膚を密着することが難しいことがある
  • 電子音が聞こえないことを想定しておく
    鳴る前に取り出さないように注意する

非接触型、予測体温計は、誤差があることに留意する

腋窩熱より口腔熱、口腔熱より直腸熱の方が正確に体内温度を測定できるが、不快感もあるので注意。耳腔内は耳垢によって正確に測定できないことがあるので注意。

体温の基準値は36.0~37.0度。平熱は個人差がある

時刻や環境によって体温は変化するので、常に同じ時刻に同じ部位、同じ環境でで測定すること