介護の技術・知識のまとめ

研修で学んだこと、職場で経験したことなどをまとめた場所です

腰痛予防体操

2021-03-30 16:52:26 | リスクマネジメント

介護職員のための腰痛予防体操

  1. 上体反らし
    椎間板の位置を正常な位置に戻す
  2. パワーポジション
    足を肩幅より広く開いて、腰を落として30秒
    大腿四頭筋で体重を支える練習。大きな筋肉で支えることで腰を守る
  3. フロントランジ
    足を前後に広く開いて重心を下に落として10秒。左右両方行う
    大腿の筋肉や臀部の筋力強化ができる。移乗動作でしっかり大きな筋肉で支えられるようにする

 


認知症の予防

2021-03-28 17:33:39 | 認知症ケア

認知症の危険因子を減らし、緩和因子を強化することで予防できる

食事、運動、知的活動などの、生活習慣に左右される

 

危険因子

  • 高血圧、脂質異常症、肥満、糖尿病、過脂肪食、高カロリー食、運動不足、喫煙、引きこもり、うつ、など

緩和因子

  • 運動、食事(魚、果物、野菜)、対人交流、文章を読む、文章を書く、ゲーム、など

 

軽度認知障害(MCI)では、回想法や音楽療法など、脳活性リハビリテーションと言われる試みがある

ランセット委員会のレポートによる、認知症の9つのリスク

  • 若年期 15歳までの教育
  • 中年期 高血圧、肥満、難聴
  • 老年期 うつ病、糖尿病、不活発、喫煙、社会的孤立

 


認知症の非薬物療法

2021-03-28 17:27:55 | 認知症ケア

リアリティ・オリエンテーション

  • 本人に対して、正しい日時や場所、人物の情報を繰り返し伝えることで、現実の認識、見当識を高めようとする

認知トレーニング

  • 記憶、注意、問題解決などの領域に焦点を当てたプログラムで、個人療法と集団療法がある

音楽療法

  • 音楽を聴く、歌う、楽器を演奏する、リズム運動など。不安や抑うつ、行動障害に効果があるとされる

回想法

  • 高齢者の過去の人生の歴史に焦点を当てて、ライフヒストリーを聞き手が受容的、共感的、支持的に傾聴することを通じて、心身を活性化する
  • 気分、幸福感、抑うつ、認知機能改善の可能性があるとされる

運動療法

  • 有酸素運動、筋力強化訓練、平衡感覚訓練などがあり、複数を組み合わせてプログラムを作成する
  • ADL改善、認知機能改善の可能性がある

 

薬物療法では、症状の進行を遅らせることはできるが、原因治療薬ではないので、アルツハイマー型認知症を直すことはできない


認知症の原因疾患とその病態

2021-03-28 17:16:41 | 認知症ケア

アルツハイマー型認知症

  • 大脳皮質の神経細胞が消失し、脳の萎縮が起こる
  • 老人斑、神経原線維変化、神経細胞の萎縮が見られる
  • 記憶障害
    もの取られ妄想、不安状態や抑うつ状態がよく見られる
  • 思考と判断力の障害
    実行機能障害が見られる
  • 見当識障害
  • 人格は比較的保たれることが多い
  • 神経症状
    筋強剛(筋肉の緊張が高度に強くなっている状態)、歩行障害などが見られる
  • 落ち着きのなさ、多弁、奇異な屈託のなさが見られる
  • 70歳以上、女性に多い
  • ゆっくりと進行する。直線的ではなく一時的な安定期がある。感染症、骨折、外科手術の他、環境の変化を契機として認知機能の目立った経過が見られることがある

血管性認知症

  • 脳血管障害によって認知症の症状が出る
  • 発作型
    脳卒中を契機として認知症を発症時、片麻痺や言語障害などの局所症状をともなう
  • 緩徐型
    大脳皮質板動脈から分岐して深部白質を流れる長穿通枝の動脈硬化により、慢性の循環器障害が起こり認知症を発症する。認知症の症状が高度になることがある
  • 頭痛やめまい、物忘れなどの自覚症状が初期に見られる
  • 高血圧、糖尿病、心疾患、動脈硬化などを合併する
  • 感情失禁、うつ状態、せん妄が見られる。60~70歳、男性に多い

レビー小体型認知症

  • 脳の全体にレビー小体と呼ばれる異常な物質が沈着して起こる。原因はよく分かっていない
  • 認知機能の動揺
    覚醒や注意力の変動が大きく、ADLの日による変化も大きい
  • 具体的な幻視
    色彩豊かな幻視が特徴。本人にははっきり見えているため、介護者の理解が重要
  • レム睡眠行動障害
    夢を見ている(レム睡眠)時に大声を上げたり身体を動かす
  • パーキンソン症状
    身体全体の動きが遅く乏しくなり、手などの震え、小刻み歩行、突進するような歩行が見られる
  • 進行が比較的遅い
  • 転倒や嚥下障害による誤嚥のリスクが高い

前頭側頭葉変性症

  • 初老期に発症し、大脳の前頭葉や側頭葉に限局した神経変性、大脳萎縮が進行する
  • 行動障害型
    前頭葉の変性・機能障害により、人格変化が見られる
    周囲に対して無関心になり自発性が低下する
    礼節や社会通念が欠如し、反社会的行動が出現する
    甘いものを好むようになる
    毎日決まった行動をする
  • 言語障害・意味記憶障害型
    側頭葉の機能障害により、言語機能障害が見られる
    言葉の意味が分からなくなる
    言葉を上手く話せなくなる
    見当識障害を伴わない
  • ゆっくりとした進行を示す

クロイツフェルト・ヤコブ病

  • 急速に進行し、初期症状から6~12か月で死に至る
  • 50~60歳代に多い
  • 大脳から脊髄に至る全中枢神経系に海綿状様あるいは空胞性変化が見られ、神経細胞の萎縮と脱落などが見られる
  • 治療法は見つかっていない
  • 認知障害と運動失調の症状がある
    筋強剛、運動麻痺、舞踏病様運動(不規則・不随意に体が動いてしまう)、興奮、幻覚、妄想、意識障害などが見られる

アルツハイマー型認知症が約7割、血管性が約2割、レビー小体が5%程度、前頭側頭葉変性症が1%程度

若年性認知症では、血管性認知症が4割を占めて、最も割合が多い。アルツハイマー型認知症が25%

 


不整脈

2021-03-28 16:10:34 | 高齢者に多く見られる症状・疾病

心房細動(頻脈性不整脈)

  • 洞房結節以外からも電気信号が出てしまい、不規則な弱い収縮を繰り返す拍動が多くなる
  • すぐに命にかかわることは少ない
  • 高齢者に多い
  • 血液がよどみ、血栓ができやすくなる。脳梗塞の原因にもなる
  • 血液サラサラの薬(抗凝固剤)の無い服が必要(ワーファリンなど)。その場合、出血に注意すること

洞不全症候群

  • 洞房結節が機能せず心臓の動きが止まる。房室結節が信号を出して動かそうとするが、予備に過ぎないので心臓の機能は低下していく
  • ペースメーカーの植え込みで対応する
  • 脳への血流が減り、失神することもある

心室細動・心室頻拍

  • 150回/分以上の脈拍
  • 致死性不整脈と言われる
  • 心室の不規則な信号で心室のみが細動する。心房から血液が入らなくなり心停止に至ることもある
  • AEDを使用し、電気刺激で心臓を一時停止させ、正しい信号が出るのを待つ

不整脈は加齢によって増えてくる

不整脈は虚血性心疾患の原因になる