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事前公開<自分年金に強くなる法「厚生年金基金の話」>連載5

2010年06月05日 | 厚生年金基金
  図表3 厚生年金基金の仕組み

*「厚生年金基金連合会」は、昭和42年に設立され、平成16年に「企業年金連合会」と名称変更。






2.経営などしたこともない!

●厚生年金基金の事業運営
厚生年金基金の事業運営は、半官半民の法人性格、法人維持の多様な業務、少人数のスタッフ等々と特徴づけられます。厚生年金の一部代行給付をフレーム・ワークとするため行政との関わりが強い、あるいは行政と同様な業務を行なわざるを得ないこともあります。民間人が国の社会保険行政を一部代行しているのです。
厚生年金基金の実務は、青色申告の小さな商店のように多様さを極めますが、その各々の業務の奥行きというか専門性はそれほどでもありません。
基金の役職員は、単独・連合設立の基金であれば母体企業からの出向者で構成され、総合設立基金であれば、行政出身の常務理事以下職員も大半が行政出身者で占められているのが一般です。

図表4 天下り役職員




このような条件のもと、日々の事業運営が行なわれていますが、慢性的なスタッフ不足と役所的な職場環境、単独・連合の基金であれば更に出向者という島流しにあったような職場環境等々のため、基金事務所には一般的に沈滞ムードが漂っており、組織の活力とかバイタリティが云々されることはありません。
さらに、社会保険行政一般に言えることですが、業務全般がいわゆる<お役所仕事>であって、単純な人工提供のような業務(例えば、毎年8月になると、加入員の標準報酬月額の改訂作業というのがあり、一人一人の加入員台帳に標準報酬月額を転記する<盛り込み>という作業があります。全加入員分を盛り込むのにただひたすら盛り込んで1週間もかかります。)が大半であり、業務の機械化の余地が多い部門です。
<お役所仕事>の形式的とか投げ遣りとかの否定面を云々するのではなく、仕事に対するきらめき、ひらめきなどという職員の創造的な取組みを押し潰すような職場環境であるということだけは言っておきたいものです。

そもそも、社会保険行政一般といわず、現在の行政組織において、中央と、出先といいますか、地方での相互の命令系統は絶対であって、お上から通知される業務を誤り無く速やかに実施するだけなのが地方官僚の仕事になっています。
つまり、中央官庁の出先機関として位置付けられているのが社会保険行政であって、「通達」、「通知」という逆流がない一方向的スタイルが最大の特徴です。「疑義」という手段は残されていますが、「通知」という方式は従来手法の典型であって、「通知」を発する者の全知全能が、つまり東大法学部出身の優秀な官僚という神話が前提されており、一方に唯々諾々と実施する羊のように勤勉な機械のような地方官僚が構造化されています。
このような世界では、先端的民間企業の手法である<きらめき、ひらめき、試行錯誤>などというものは排除され、中央官僚の意志(これを国政というらしい)実現が最大の務めとなっています。

半官半民の厚生年金基金は、このような二重人格を併せ持って日々の業務を推進していますが、この基金の二重人格性故に基金の問題は二重のスポットライト、官・民のスポットライトが当たって問題の中心点、問題の稜線が鮮明に浮上することになります。厚生年金の民営化とまでは言わなくても、厚生年金の一部代行という民間活力の有効活用にはこのような年金問題の先鋭化が実現する位相が内在しているのです。
例えば、<慢性的な基金のスタッフ不足は、調査・研究業務の先行投資を出来がたくする>という民間の危機意識に対して、<慢性的な基金のスタッフ不足は、職員配置基準で定められていますので万やむなし、調査・研究業務は不要>という地方官僚の考え方が対峙することになります。

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