その三日程前、幽体のメッテッヤが独りで部屋に居ると、白い気でできた右手の親指が変化した
ふわっとけむって、親指大の(女性的な)観音様の姿に変わったのだ
メッテッヤは仏を見るのは初めてだった
…観音様は名乗りはしなかったが優しく微笑んで、今度あなたが行かれる所の者です、あなたが来られるのを私達は楽しみにお待ちしておりますよ、と言ってから、消えられた
サマルトが、メッテッヤが兜率天に行くのを不安に思わないように、前もって観音様に頼んで来てもらい、あいさつされたのだった
又、観音様はわざと親指大に小さくなり、親しんで下さいということを示したつもりだった
…だから、メッテッヤはその事については不安はなかったが、やはり遠い未来に人間界で受ける試練だけは本能的に嫌だったのだろう
しかし、出発の前夜、サマルトはメッテッヤの説得に成功した
メッテッヤは他に方法がないこと、お父さまを喜ばせるためにはこれしかないこと、またそのために自分は造られたのだということを、知っていた
彼は、悲しみながら白い寝床(この頃には普通のベッド形式だった)で寝入った
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