改修され、出航が一年振りとなる、一般乗船用宇宙船の’ポロン13’が、
惑星「呂」の大気圏を通過して、自動操舵に変わったその瞬間、大きく
振動を起こし、客室の灯りは消え、非常灯に切り替わりました。
すると、亀の姿のお爺さんは、急に何を思ったのか、’うらし’の座席脇の
荷物入れの中で、
「電機は、、」「切れてます、、」
「砂糖は、、」「切れてます、、」
「醤油は、、」「切れてます、、」
「味噌は、、」「切れてます、、」
「何だい~、切れていないは、無いのかぁ~!」
「いえ、あります」
「それは、何だい~!?」
「包丁で、、」
、、、お後が宜しい様で、、と乗客を落ち着かせる為に
一生懸命にやり切りました。分かっていましたが、誰にも通じる訳も無く、
しかし、それを温かく見守り、’うらし’は、落ち着く事が出来ました。
その頃、’ヴェル機長’は、高圧水素容器の圧縮機が破損して、
急激な水素漏れからの、電圧低下の対処を試みていました。
つづく。